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菓子折
「菓子折〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菓子折の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
う言う見すぼらしさよりも更に彼の憎んだのは貧困に発した偽りだった。母は「風月」の
菓子折につめたカステラを親戚《しんせき》に進物にした。が、その中味は「風月」所か....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
すかな水の音が聞えました。さて肝腎の相手はと見ると、床の前を右へ外《はず》して、
菓子折、サイダア、砂糖袋、玉子の折などの到来物が、ずらりと並んでいる箪笥《たんす....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
も居どころもわかるはず。わかったら、けちけちしちゃいけねえぜ。おわびのしるしにお
菓子折りの一つずつも手みやげにして、とったしごきは返してやりな。いいかい、忘れる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うに話したこともあった。ところが、ある年の十二月十九日の宵に、わたしは詰まらない
菓子折を持って、無沙汰の詫びと歳暮の礼とをかねて赤坂の家をたずねると、老人は二人....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なければなるまい。わたしはこれからちょっと行って来ますよ」 お由は有り合わせの
菓子折か何かを持って、直ぐに隣りへ出て行った。その留守に、お北は妹を枕もとへ呼ん....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぞと云いましたが、つまりは一種の賄賂です。表向きは金をやるわけにも行かないので、
菓子折の底へ小判を入れたり、金銀の置物をこしらえたり、いろいろの工夫《くふう》を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や榊や幣束などもみえた。信心者からの奉納物らしい目録包みの巻絹や巻紙や鳥や野菜や
菓子折や紅白の餅なども其処らにうず高く積まれてあった。若い美しい行者は藁の円座の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見得もとどこおりなく済んで、お角は津の国屋へいよいよ住み込むことになった。お雪は
菓子折を持って文字春のところへ礼に来た。新参ながらお角はひどく女房の気に入ってい....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
中尉は何か心の中に微笑しずにはいられなかった。 「何に入れて持って来たか?」 「
菓子折に入れて持って来ました。」 「お前の家はどこにあるのか?」 「平坂下であり....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
が、少し強い雷が鳴り出すと、屋敷の侍が早駕籠に乗ってよし原へ駈けつけて、お見舞の
菓子折か何かをうや/\しく花魁に献上するというわけです。いかに主命でも、兎もかく....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
人の寝て居た部屋――の境の襖は包丁で滅茶滅茶に切りきざまれていた。枕許の机の上に
菓子折と盆があった。盆の中に、寝がけに喰べたらしい林檎の皮があった。 その外に....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
しても、出来の悪い子供のように、次の年には又平気で(?)同じことをやってのけた。
菓子折を背負った沖売の女や、薬屋、それに日用品を持った商人が入ってきた。真中の離....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ずれ後程おとどけ申します。これはほんの皆さんのお茶受けです。」 彼女は手土産の
菓子折を置いて機嫌よく帰ったので、そばにいる者共はほっとした。昔馴染みはやはり頼....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
週間ほど寝込んだことがあります。そのときに染吉とお照とが見舞に来て……。どちらも
菓子折かなにかを持ってきて、しかも同時に落合ったものですから、はなはだ工合の悪い....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つた。 それから二三日して、彼の留守中、味岡正造という名刺をもつた使いの者が、
菓子折と、別に寸志と書いたノシ袋を置いて行つたことを知り、彼は、その「寸志」の方....