菜切[語句情報] » 菜切

「菜切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

菜切の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
威嚇いたしました。 「馬鹿者共めがッ。江戸御免の篠崎流正眼崩しを存ぜぬかッ。その菜切《なっき》り庖丁をおとなしゅう引けッ」 だのに、身の程もわきまえぬ鼠輩共《....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
そがしそうに狭い部屋を歩きまわり、仏壇の戸びらの片方はずれているのを引きむしり、菜切庖丁で打ち割って、七輪にくべてお茶をわかし、先刻窓から顔を出していた子供はと....
露肆」より 著者:泉鏡花
子台の上エでなりとウ、ただ、こいに遣って、すぅいすぅいと擦りますウばかりイイイ。菜切庖丁、刺身庖丁ウ、向ウへ向ウへとウ、十一二度、十二三度、裏を返しまして、黒い....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
。 「小物は小物だが匕首じゃねえぞ。」誰にともなく彼は呻いた。 「出刃でもねえ。菜切りだ、菜切庖丁だ。人を殺すに菜葉切りのほかに刃物のねえような、こう彦、手前に....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
はコーヒーのアクは彫って印になるし、首のもげた筆の軸は子供の石鹸玉吹きになるし、菜切庖丁の使い減らしたのは下駄の歯削りになるし、ズボンの古いのは、切って傘袋にな....