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菜根
「菜根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菜根の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
《なにがし》から得た。その同僚は役所の往復に、電車の中で洋服の隠袋《かくし》から
菜根譚《さいこんたん》を出して読む男であった。こう云う方面に趣味のない宗助は、固....
「食魔」より 著者:岡本かの子
そのものだけの持つ謙遜な滋味が片れを口の中へ入れる度びに脆く柔く溶けた。大まかな
菜根の匂いがする。それは案外、甘いものであった。 「成程なア」 彼は、感歎して....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
気地《いきじ》ばらずに、譲り得るだけは譲るべきものと思う。僕のしばしば引用する『
菜根譚《さいこんたん》』には、 「径路《けいろ》窄《せま》きところは、一歩を留め....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
のようじゃ、ちと、骨ばなれがいたしそうで……」 「これ見や、捕物同心が、やしきで
菜根譚《さいこんたん》を読んでいる。……暇だの」 引きむすぶと、隠れてしまいそ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その手には、草の根を掻きわけて探した、まだ若い嫁菜だの、蕗のとうだの、いろいろな
菜根が小笊の中へ摘みこまれて持たれていた。
その指先も、その朱い数珠も、かすか....
「三国志」より 著者:吉川英治
の陽を仰いでいる。一息して、鍬をすてると、彼は糞土の桶を担って、いま掘りかえした
菜根の土へ、こやしを施していった。 「わが君! 冗談ではありませんぞ。この時勢に....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
んらかの眼にもみえない影響をもっていたろうことも思われて、読書の恩を深く感じる。
菜根譚のうちに、 読書随所浄土 ということばがあるが、単に、書を開く手には浄土....