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菩提
「菩提〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菩提の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
れじゃ。」
「わしは、五六人を相手に切り合うているのを見た。」
「やれやれ、頓生
菩提《とんしょうぼだい》、頓生
菩提。」
「次郎さんも、見えないぞ。」
「これも事....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
した。
「何としてまた、吹かぬ事に致したな。」
「聊《いささ》かながら、少納言の
菩提《ぼだい》を弔《とむら》おうと存じますから。」
こう仰有《おっしゃ》って若....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
んどう》を囲んで、夜もすがら左近や加納親子の追憶をさまざま語り合った。が、彼等の
菩提《ぼだい》を弔《とむら》っている兵衛の心を酌《く》む事なぞは、二人とも全然忘....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
ているようである。
「よう聞けよ。生死即涅槃《しょうじそくねはん》と云い、煩悩即
菩提《ぼんのうそくぼだい》と云うは、悉く己《おの》が身の仏性《ぶっしょう》を観ず....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
たのが、十九の年に足場から落ちて、一時|正気《しょうき》を失った後《のち》、急に
菩提心《ぼだいしん》を起したとか云う、でんぼう肌の畸人《きじん》だったのです。
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
か、容易に断定は出来ないかも知れない。
又
悉達多は六年の苦行の後、
菩提樹《ぼだいじゅ》下に正覚《しょうがく》に達した。彼の成道の伝説は如何に物質の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
已訖従座而起《すでにおわりてざよりしてたつ》。安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向
菩提樹《ぼだいじゅにむかう》。』どうじゃ。『安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向菩....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れない。孔子が忠信のみといったその忠信も或はこれを意味するのかも知れない。釈尊の
菩提心、ヨハネのロゴス、その他無数の名称はこの本能を意味すべく構出されたものであ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
備えたのはビスケットである。これはいささか稚気を帯びた。が、にれぜん河のほとり、
菩提樹の蔭に、釈尊にはじめて捧げたものは何であろう。菩薩の壇にビスケットも、ある....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
瑠璃の皎殿を繞り、碧橋を渡って、風に舞うようにも視められた。 この時、煩悩も、
菩提もない。ちょうど汀の銀の蘆を、一むら肩でさらりと分けて、雪に紛う鷺が一羽、人....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
人は六番めの門をくぐって町の中をさまよい歩きました。 その町というのは、大きな
菩提樹や楓の木のしげった下を流れる、緑の堤の小川の岸にありました。しかして丘の上....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
ラスクとかを講じ、僕は東京に文を売る。相見る事一年に一両度のみ。昔一高の校庭なる
菩提樹下を逍遥しつつ、談笑して倦まざりし朝暮を思えば、懐旧の情に堪えざるもの多し....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ぬかりがあって、ちぐはぐでおかしいくらい。ついこの間も嬢さんが、深川の浄心寺、御
菩提所へ、お墓まいりにおいでなさるのに、当世のがないもんですから、私の繻子張のを....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
い。おでんとしようと、柳町の事を思いながら一方を見ると、歌麿の蜑女と向合って「発
菩提心。」という横額が掛っている。 亡くなった洞斎が遣りそうな好みだ、と思うと....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
よりも一層もの寂びている。僕は萩寺の門を出ながら、昔は本所の猿江にあった僕の家の
菩提寺を思い出した。この寺には何でも司馬江漢や小林平八郎の墓の外に名高い浦里時次....