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「菩提心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

菩提心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
たのが、十九の年に足場から落ちて、一時|正気《しょうき》を失った後《のち》、急に菩提心《ぼだいしん》を起したとか云う、でんぼう肌の畸人《きじん》だったのです。 ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ていた。彼は玉藻のために後世《ごせ》を祈ろうとも思っていなかった。畜生にむかって菩提心をおこせと勧めようとも思っていなかった。彼はただ、藻《みくず》と玉藻《たま....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れない。孔子が忠信のみといったその忠信も或はこれを意味するのかも知れない。釈尊の菩提心、ヨハネのロゴス、その他無数の名称はこの本能を意味すべく構出されたものであ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
像で、顔も姿も解らなかったが、なお崇厳の輪郭だけは、見る人の心を敬虔に導き、且つ菩提心を起こさせるに足りた。 「聖壇」の麓、眼の下には、教団信徒の家々が黒く固ま....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
、より尊く、よりりっぱに活かしてゆかねばうそだと思います。 波羅蜜多ということ菩提心を発して、浄土へ往生せん」ということです。したがって小乗は単数、大乗は複数....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
姿を貼りつけて、多少気にしているものと見える。 とにかく、彼天駆がそういう風に菩提心を起したことは、逸早く機関誌「ザ・プロシーデングス・オブ・ザ・インスチチュ....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
られないように振舞ってください。ものを壊すにしても、良心にとがめるといったような菩提心を出さないで、こんな壊れ物を扱わせるから壊れるんじゃないの……ぐらいの太々....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
哀婉《あいえん》たる苅萱道心《かるかやどうしん》の一節と来ているのだから、多少の菩提心《ぼだいしん》をこそ起せ、そう無暗に昂奮して、武者修行熱を起した道庵の心持....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
もここに留まるにも及ばないが、悲しむべく怖るべきはかの髑髏である。 如是畜生発菩提心の善果をみるまでは、自分はここを去るまいと決心して、彼はこの空家に蹈みとど....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
かに太子が推古の御代を深くおもい給い、蒼生の苦楽をあわれませられ、更には衆生の発菩提心に大悲願をかけさせられる生御魂がここにおわすのである。多くの美学者によって....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
るところが多いが、最後の到着は究竟の一味を持っている。大乗理想から見れば、肝腎の菩提心の一着だけは欠いているが、殊にこの著書の特色は、人間の愛慾に求道を終始連絡....
雪柳」より 著者:泉鏡花
い。おでんとしようと、柳町の事を思いながら一方を見ると、歌麿の蜑女と向合って「発菩提心。」という横額が掛っている。 亡くなった洞斎が遣りそうな好みだ、と思うと....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
からない。今は両人とも人間としてなくてかなわぬ唯一のものを求むるがよい。もし女に菩提心あらば一燈園に来させよ、との勧めでした。私も熟考してみるに、この方法が最も....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いてしまったです。私はその網の燃え上る火を見まして「法界の衆生、他の生命を愛する菩提心を起し殺生的悪具をことごとく燃尽すに至らんことをこいねがう」と念じ、それか....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
dhi〕 の漢音訳で「覚り」の義)心」が蠢めくときがそれであるといたします。 「菩提心」とは何でしょうか、自分を良くし、人も良くしようという願い心です。自分も、....