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「菩提所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

菩提所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
方がねえ。なんにも云わずに、この二人は心中ということにして、こららの家《うち》の菩提所へ合葬してやったらどうだね」 「何分よろしくねがいます」と、大五郎も素直に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つ飲んだ後に、ふたりは再び差しむかいになった。 「目白坂下の寺は、おめえの屋敷の菩提所《ぼだいしょ》かえ」と、吉五郎は猪口《ちょこ》を差しながら訊いた。 「そう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ます」 「年造の寺はどこだね」 「改代町《かいだいまち》の万養寺です」 「年造の菩提所かえ」 「いいえ。年さんのお寺は無いとかいうことで、大さんが自分の知ってい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に済みました」 「その脇指はどうなりました」 「なんでも笹川の家から福田の屋敷の菩提所、光隆寺へ納めたとか聞きましたが、それからどうなったか知りません。考えてみ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
美しいお方であったが、その美しい姫様は明けて十七という今年の春、疱瘡神に呪われて菩提所の石の下へ送られてしまった。あまりの嘆きに取りつめて母の奥方は物狂おしくな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らしい若侍の陣笠のひさしにも、もう夏らしい光りがきらきらと光っていた。 小幡が菩提所の浄円寺は、かなりに大きい寺であった。門をはいると、山吹が一ぱいに咲いてい....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のが見えました。 否! 否! そればかりではない。あてもなく廻り廻って、伊達家菩提所の瑞鳳寺前までいったとき、ふと気がつくと、たしかに自分の尾行者と覚しき若侍....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
けれども、こればかりは気が付きませなんだ」 良「どうでもよいわ、萩原の死骸は外に菩提所も有るだろうが、飯島の娘お露とは深い因縁がある事|故、あれの墓に並べて埋め....
風流仏」より 著者:幸田露伴
惜しい事には前歯一本欠けた所から風が洩れて此春以来|御文章を読も下手になったと、菩提所の和尚様に云われた程なれば、ウガチとかコガシとか申す者は空抜にしてと断りな....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
と、それは同じ河内国の藤井寺というお寺の和尚さんでした。そのお寺は石川の家代々の菩提所で、和尚さんとは平生から大そう懇意な間柄でした。 「これはめずらしい所でお....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
る。彼も慌てて会釈した。 「おお、小石川の伯母上、どうしてここへ……」 「赤坂の菩提所へ仏参の帰り途によい所へ来合せました。天下の御旗本ともあるべき者が町人ども....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
と思う。 江戸時代の権勢と金力と、審美眼とを後世に残したこの増上寺を、徳川家の菩提所として定めたのは家康であった。家康が千代田城を政権の府とした頃、半蔵門の近....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ぬかりがあって、ちぐはぐでおかしいくらい。ついこの間も嬢さんが、深川の浄心寺、御菩提所へ、お墓まいりにおいでなさるのに、当世のがないもんですから、私の繻子張のを....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
たが、緑雨の一番古い友達の野崎左文と一番新らしい親友の馬場孤蝶との肝煎で、駒込の菩提所で告別式を行った。緑雨の竹馬の友たる上田博士も緑雨の第一の知己なる坪内博士....
こがらし」より 著者:岩本素白
寺というのは、元は近くの大きな寺の塔頭の一つであったのだろうが、それは或る大名の菩提所で、今は其の家の控邸になって居て、乳鋲のついた扉のある大きな開き門をはいる....