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菩提樹
「菩提樹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菩提樹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
か、容易に断定は出来ないかも知れない。
又
悉達多は六年の苦行の後、
菩提樹《ぼだいじゅ》下に正覚《しょうがく》に達した。彼の成道の伝説は如何に物質の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
已訖従座而起《すでにおわりてざよりしてたつ》。安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向
菩提樹《ぼだいじゅにむかう》。』どうじゃ。『安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向菩....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
が重い匂いを部屋中にみなぎらせていました。Aは私の知識の中で名と物とが別であった
菩提樹《ぼだいじゅ》をその窓から教えてくれました。私はまた皆に飯倉の通りにある木....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
備えたのはビスケットである。これはいささか稚気を帯びた。が、にれぜん河のほとり、
菩提樹の蔭に、釈尊にはじめて捧げたものは何であろう。菩薩の壇にビスケットも、ある....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
河堤の古本屋の箱屋台はすっかり黒い蓋をしめて、その背後に梢を見せている河岸の
菩提樹の夕闇を細かく刻んだ葉は河上から風が来ると、飛び立つ遠い群鳥のように白い葉....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
人は六番めの門をくぐって町の中をさまよい歩きました。 その町というのは、大きな
菩提樹や楓の木のしげった下を流れる、緑の堤の小川の岸にありました。しかして丘の上....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
彼が公園内に一歩をいれた時、彼はまだ正気だった。 伯林にちらほら街路樹の
菩提樹の葉が散り初めたのは十日程前だった。三四日前からはそれが実におびただしい速....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
もなく、チラチラチラチラと降って居るのが、ベルリンで見て居た冬景色です。街路樹の
菩提樹の葉が、黄色の吹雪を絶えずサラサラサラ撒きちらして居た。それが終ると立樹の....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
ラスクとかを講じ、僕は東京に文を売る。相見る事一年に一両度のみ。昔一高の校庭なる
菩提樹下を逍遥しつつ、談笑して倦まざりし朝暮を思えば、懐旧の情に堪えざるもの多し....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
紅の血潮ほとばしり出でたれば、かの勇士その煙霧のごとき流れに身をひたす。その時、
菩提樹の枝より一枚の葉舞い落ちて、彼の肩を離れず、その個所のみ彼を傷つけるを得ん....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
鎮めるに充分だった――と。 やがて、夜が明けかかり闇が白みはじめたころ、私は、
菩提樹の梢をとおして、暁にふるえるユニオン・ジャックの翩翻たるを見たのである。印....
「光は影を」より 著者:岸田国士
して、なによりも彼の眼をみはらせたのは、ふとしたはずみに、彼女が、昔よく唱つた「
菩提樹」の歌を、さりげなくハーミングしはじめたことであつた。 彼はわざと、それ....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
獅子』とかを唄って大いに喝采を博した事があるそうである。それなら今度は勝太郎が『
菩提樹』でも唄って、あっと言わせる番である。――もちろん、これは冗談である。しか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
入って行くことは出来ないだろう」と言うような話でありました。私はその夜ブダガヤの
菩提樹下の金剛道場で坐禅を致しましたが実に愉快の感に堪えなかった。釈迦牟尼如来が....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
老衰の人生の過程も繰り返される。飛行機も飛べば、潜水艇も潜航している。万朶の花、
菩提樹の落葉、いななく馬あれば、眠る猫あり。いちいち書き尽すに暇がありません。そ....