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「華族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

華族の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
要ですよ。若い外交官の月給などは高《たか》の知れたものですからね。 主筆 じゃ華族《かぞく》の息子《むすこ》におしなさい。もっとも華族ならば伯爵か子爵ですね。....
或る女」より 著者:有島武郎
で汽車の中で出あった今は、妻子を里に返してしまって、ある由緒《ゆいしょ》ある堂上華族《どうじょうかぞく》の寄食者となって、これといってする仕事もなく、胸の中だけ....
外科室」より 著者:泉鏡花
科室の方《かた》に赴《おもむ》くとき、むこうより戸を排してすらすらと出で来たれる華族の小間使とも見ゆる容目《みめ》よき婦人《おんな》二、三人と、廊下の半ばに行き....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の袂に、大巌山の峰を蔽う、千歳の柳とともに、鶴屋と聞えた財産家が、去年東京のさる華族から娶り得たと云う――新夫人の二人が、二つ巴の、巴川に渦を巻いて、お濠の水の....
春昼」より 著者:泉鏡花
場で討死をする機会がなけりゃ、おなじ畳の上で死ぬものを、憧れじにが洒落ています。華族の金満家へ生れて出て、恋煩いで死ぬ、このくらいありがたい事はありますまい。恋....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
葉巻をくゆらしながら、悠々と出づ。 鉱蔵 其奴等騙賊じゃ。また、騙賊でのうても、華族が何だ、学者が何だ、糧をどうする!……命をどうする?……万事俺が引受けた。遣....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
狂いかかると、わっと云うのが可笑しさを囃すので、小児は一同、声を上げて哄と笑う。華族の後室が抱いてござった狆が吠えないばかりですわ。 何と、それ狂言は、おかし....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
側へ這いかかる。……こんな荒地は、糸七ごときに、自からの禄と見えて、一方は隣地の華族|邸の厚い塀だし、一方は大きな植木屋の竹垣だし、この貸屋の背戸として、小さく....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
ものでも、社会の階級の何種に属する女でも乃公が気に入ったものをという主張をして、華族でも、士族でも、町家の娘でも、令嬢でもたとい小間使でもと言ったことをここに断....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
四の時から今に到るまで一日も忘れたことのない年紀上の女に初恋の、その人やがて都の華族に嫁して以来、十数年間|一度もその顔を見なかった、絶代の佳人である。立花は涙....
黒百合」より 著者:泉鏡花
がね、難かしい顔をしてる割にゃあ解ってて、我儘をさしてくれらあね。」 「成程ね、華族様の内をすっかり預って、何のこたあない乞食からお前さんを拾上げたほどの人だか....
山吹」より 著者:泉鏡花
私は死ぬのだけは止めましてございます。 先生、――私は、唯今では、名ばかりの貧乏華族、小糸川の家内でございますが。 画家 ああ子爵でおいでなさる。 夫人 何です....
清心庵」より 著者:泉鏡花
うとね、 (可愛い児とさ、)とお笑いなすった。 うむ、こりゃ仔細のないこった。華族様の御台様を世話でお暮し遊ばすという御身分で、考えてみりゃお名もまや様で、夫....
三枚続」より 著者:泉鏡花
噂があった、なおこの横町を馬車新道と称えるのでも解る、弟子の数が極めて多い。殊に華族豪商、いずれも上流の人達で、歌と云えば自然十が九ツまで女流である。 それの....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。ここはどんな方のお邸でござんすえ、ッて聞かれたから、(こりゃ関戸とおっしゃる御華族でいらっしゃる。)と答えますと、華族さんなの。それでは町人が来ては叱られまし....