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「華燭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

華燭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
も取らない内に、残暑はまた朝寒《あささむ》に移り変って、とうとう所謂《いわゆる》華燭《かしょく》の典を挙げる日も、目前に迫ったではございませんか。 私はもうそ....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
にして、篤学《とくがく》の聞え高きランドルフ・タリスマン氏迄も招待して、盛大なる華燭の典を挙げ、附近住民をして羨望渇仰の眼を瞠《みは》らしめぬ。 さる程にアリ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
児なりと知り、父はしかも危篤の病者。逢うが別れの今世に、臨終のなごりを惜むため、華燭銀燈輝いて、見返る空に月のごとき、若竹座を忍んで出た、慈善市の光を思うにつけ....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
弟姉妹もないので、世高は何事も思いのままであった。彼は蘇州の我家へ帰るなり秀英と華燭の典をあげた。 そうして二人がいるうちに紅巾の賊乱が起った。それは至正の末....
稲生播磨守」より 著者:林不忘
池田 (そっと森を小突いて)それを税所が、めでたく中原の鹿を射て、この春いよいよ華燭《かしょく》の典を挙げた時には、なあ森、白状するが、少々|嫉《や》けたなあ。....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
この少女こそは、前回に御紹介致しました本事件の主人公、呉一郎の花嫁となって、華燭の典を挙げるばかりに相成っておりましたその少女で、名前を呉モヨ子と申します。....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
自分の位置に気がつくようになった。それは冬近い日曜と祭日のつづいた頃である。姉は華燭の典をあげた。相手は金持ちの青年紳士であった。 突然、私は自分がいろいろな....
佳日」より 著者:太宰治
た先方のお家へ、速達の葉書を発した。ただいま友人、大隅忠太郎君から、結納ならびに華燭の典の次第に就き電報を以て至急の依頼を受けましたが、ただちに貴門を訪れ御相談....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
領事館で、めでたく、お雪はモルガン夫人となり、アメリカの人となった。 新聞は、華燭《かしょく》の典を挙げたと報じ、米国《アメリカ》トラスト大王の倅《せがれ》モ....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
のである。そしてなお樹上にはその実が沢山に残っているから、そこでもここでも同じく華燭の盛典が挙げられめでたいことこの上もなく、許嫁の御夫婦万歳である。そのうちに....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
か残燐を吊す 乞ふ死是れ生真なり※し 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人 洞房の華燭前夢を温め 仙窟の煙霞老身を寄す 錬汞服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる....
帝展の美人画」より 著者:上村松園
す。大きく伸ばしたのでいろんなものが見えたのかも知れません。 和気春光さんの「華燭の宵」は怖い顔の花嫁さんやと思いました。 木谷千種さんの「祇園町の雪」を見....
三国志」より 著者:吉川英治
約の成立した日から婚儀までの期間を、身分によって四いろに分けています」 「天子の華燭の式典は一ヵ年、諸侯ならばそのあいだ半年、武士諸大夫は一季、庶民は一ヵ月」 ....
三国志」より 著者:吉川英治
、遂に吉日を卜して、劉玄徳と呉妹君との婚礼を挙げるところまで漕ぎつけてしまった。華燭の典の当日まで、趙子龍は主君の側を離れず喬国老に頼んで五百の随員――実は手勢....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ついにその場で子の覚一へ約束した。――この鎌倉まで来ている機を幸いに、高氏どのの華燭のお祝いがすみ次第、なんぞよい口実をもうけて、ここから都へ上ることにしようぞ....