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華美
「華美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
華美の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
から美しい日の光りが天にも地にも満ちていた。 風流の道にたましいを打ち込んで、
華美《はで》がましいことを余り好まなかった忠通も、おととし初めて氏《うじ》の長者....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
稽な事実が、現実に混同していようとは信じられぬのである。ああ、その瀑布の轟き――
華美な邪魁な夢は、まさにいかなる理法をもってしても律し得ようのない、変畸狂態のき....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
射砲陣地がものものしいだけで、あとは閉った店がすこし目立つぐらいで、街はやっぱり
華美であった。 防毒面こそ、肩から斜めに下げているが、行きずりの女事務員たちは....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
無関心に進み入った。彼の足の下では堅い大理石の床も荒野の砂にひとしく、彼の眼には
華美な宮廷服を身にまとった傲慢な人々も、すべて空虚な空気に過ぎなかった。ラザルス....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
の方の読者の為めに書いてるんだ。」と、斯うですよ。は、は、は、は。 かの女は、
華美でも洗練されて居るし、我儘でも卒直な戸崎夫人の噂さは不愉快でなかった。そうい....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
屋兼帯の上等下宿、三階|造の館の内に、地方から出て来る代議士、大商人などを宿して
華美に消光していたが、滝太郎が生れて三歳になった頃から、年紀はまだ二十四であった....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
立ち優っているのは矢張りこの竜宮界じゃ。すべてがいかにも清らかで、優雅で、そして
華美な中に何ともいえぬ神々しいところがある。とても俺の口で述べ尽せるものではない....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
も着ていますが、結構|可笑しくなく着られます。着物の柄は、後になればなるほど荒く
華美になって来ています――一体がそんな風でした。 黄八丈に黒縮緬 今....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
をぞろりと着込んで、手拭をぶら下げてゆく人も珍しくないようになった。一般の風俗が
華美に流れて来たことは、これを見ても知られると、窃に嘆息する老人もあったが、滔々....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
七が総て取仕切って引受けていた。お常は今年四十九の古女房であったが、若い時からの
華美好で、その時代の商人の女房には似合わしからない贅沢三昧に白子屋の身代を殆ど傾....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ーボン号は一万一千七十三トンにして、上等客室四百五十人をいるるべき設備あり。実に
華美を極めたる客船なり。乗客総計二百八十三人のうち、男百四十二人、女百四十一人、....
「夕暮の窓より」より 著者:小川未明
福であろうかと考えさせられた。 静かな、淋しい生活であろう……とか或は賑かな、
華美な生活であろう……とか言うのは、これは傍から見てたゞそういうように思うばかり....
「空晴れて」より 著者:小川未明
けたけれど、ぐっすりとすぐに眠りに陥ることができなかった。 「都会が、いたずらに
華美であり、浮薄であることを知らぬのでない。自分は、かつて都会をあこがれはしなか....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
私の目に残っていますのは、もう小皺の沢山あるお婆さんが、真白に顔を塗りつぶして、
華美な服装で若やいでいたのでした。図々しい『男の猟師』だというので、皆の嘲笑の的....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
。そして二人の関係は公然の秘密として余りにも有名であった。宮本夫人は器量自慢で、
華美好きで、才子ぶるというのでとかく評判がよくなかった。大会社の支店長代理という....