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菱
「菱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
た。鮮やかな緋《ひ》の色が、三味線の皮にも、ひく人の手にも、七宝《しっぽう》に花
菱《はなびし》の紋が抉《えぐ》ってある、華奢《きゃしゃ》な桐の見台《けんだい》に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
この話の主人公は忍野半三郎《おしのはんざぶろう》と言う男である。生憎《あいにく》大した男ではない。北京《ペキン》の三
菱《みつびし》に勤めている三十前後の会社員である。半三郎は商科大学を卒業した後《....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
のは谷の底からなお上へのぼって馬の背のように空をかぎる。その中で頭の上の遠くに、
菱《ひし》の花びらの半ばをとがったほうを上にしておいたような、貝塚から出る黒曜石....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
十銭くらいの頭割をなしたというような、ソンナ慈善はしない方がかえってよいです。三
菱のような何千万円というように金を溜めまして、今日まで……これから三
菱は善い事業....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
側を見ていると、須磨迄は大丈夫であったが、林田区に入ると俄然大きく焼けていた。三
菱電機の研究所のあった建物も焼けていた。湊川新開地も焼け、福原も焼けていた。市電....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ちょっと傍へかわした宗吉の顔に、横から打撞ったのは小皿の平四郎。……頬骨の張った
菱形の面に、窪んだ目を細く、小鼻をしかめて、 「くすくす。」 とまた遣った。手....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
約束でね、御寮人には附きものの小女ですよ。あれで御寮人の髷が、元禄だった日にゃ、
菱川師宣えがく、というんですね。 何だろう、とお尋ねなさるのは承知の上でさ、…....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
処々に筵を敷き、藁を束ね、あるいは紙を伸べ、布を拡げて仕切った上へ、四角、三角、
菱形のもの、丸いもの。紙入がある、莨入がある、時計がある。あるいは銀色の蒼く光る....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
は鼠も居る。――希代なのは、その隙間形に、怪しい顔が、細くもなれば、長くもなり、
菱形にも円くもなる。夕顔に目鼻が着いたり、摺木に足が生えたり、破障子が口を開けた....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
来たぞ。一陣の白鉢巻、白兜、革命党は皆ダンビラをひっさげて鋼鉄の鞭、爆弾、大砲、
菱形に尖った両刃の劒、鎖鎌。土穀祠の前を通り過ぎて『阿Q、一緒に来い』と叫んだ。....
「作画について」より 著者:上村松園
だのでした。 (授賞席順) 金牌 大原の露 下村観山 銀牌 雪中放鶴
菱田春草 木蘭 横山大観 花ざかり 上村松園 ....
「座右第一品」より 著者:上村松園
。 こうして一枚々々繰って行って見ますと、栖鳳先生の元禄美人も出て来ます。橋本
菱華という人の竹籔に烏の図もあります。春挙さんの瀧山水、五雲さんの猫など、その時....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と衣の音がして葭戸越に立姿が近いたが、さらりと開けて、浴衣がけの涼しい服装、緋の
菱田鹿の子の帯揚をし、夜会結びの毛筋の通った、色が白い上に雪に香のする粧をして、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
やがって。日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、冥利を知れやい。べらぼうめ、
菱餅や豆煎にゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をして甞めねえぜ、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
時雨に真青なのは蒼鬣魚の鰭である。形は小さいが、三十枚ばかりずつ幾山にも並べた、あの暗灰色の
菱形の魚を、三角形に積んで、下積になったのは、軒下の石に藍を流して、上の方は、浜....