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菱餅
「菱餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菱餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
右は鍵《かぎ》の手に折れて、折れたはずれの南に突き出した六畳が藤尾の居間となる。
菱餅《ひしもち》の底を渡る気で真直《まっすぐ》な向う角を見ると藤尾が立っている。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
四
四月になる。愈春だ。村の三月、三日には雛を飾る家もある。
菱餅草餅は、何家でも出来る。小学校の新学年。つい去年まで碌に口も利けなかった近所....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
は桃の節句、菖蒲の節句である。 桃の節句は女の子の祝うものだけに、煎米、煎豆、
菱餅。白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、豊よかな頬にまで花の妍やかさを....
「農村」より 著者:宮本百合子
のだそうだ。若し出来るなら「のし餅」にしてくれないかと云ったら、お雛さんの時の、
菱餅の様になら出来ると云うので、それをもう少しうすく四角く大きくして呉れと云って....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を下さいました。
はしきやしマダム・キュリーの絵姿もともにかかげよ桃の節句に。
菱餅と五人囃とその蔭に一葉日記もおくべかりけり。(私はうれしかったから虹色の色紙....
「渡舟場」より 著者:豊島与志雄
した。 そしてつい先日、三月三日の雛祭りの日は、居所が狭いので雛人形も飾らず、
菱餅や白酒も手にはいらず、普通の日と同じに過ぎた。その夕方、町の小松屋へでも行こ....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
、一同は申し合わせたように武者震いした。じーんと血が頭へ集まっていくのを感ずる。
菱餅を並べたかに似た金杉、芝浦の街並みは愛宕山上の眼下にあった。品川、大森と思え....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
やがって。日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、冥利を知れやい。べらぼうめ、
菱餅や豆煎にゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をして甞めねえぜ、....