»
菲
「菲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ち慚汗《ざんかん》の背に流るるを覚ゆ。貧窮《ひんきゅう》、病弱《びょうじゃく》、
菲才《ひさい》、双肩《そうけん》を圧し来って、ややもすれば我れをして後《しり》え....
「虚構の春」より 著者:太宰治
情な青年の恋物語であり、シンセリティの尊さを感じたくらいで、……とにかく、浅学|
菲才《ひさい》の僕であります。これで失礼申します。私は、とんでもない無礼をいたし....
「草枕」より 著者:夏目漱石
大空断鴻帰。寸心何窈窕。縹緲忘是非。三十我欲老。韶光猶依々。逍遥随物化。悠然対芬
菲。 ああ出来た、出来た。これで出来た。寝ながら木瓜を観《み》て、世の中を忘....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
うようなことを、ざっとお話ししたわけですが、最も深遠なこのお経を、私ごとき浅学|
菲才の者が講義するのですから、とうてい皆さまの御満足を得ることができなかったこと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。昔ルソンで偽って誓文した者※に食わるとし(一八九〇年版アントニオ・デ・モルガ『
菲列賓諸島誌《スセソス・デ・ラス・イスラス・フィリピナス》』二七三頁)、一六八三....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
の金をもらって帰って来た。そして断ってある二つの錠をよく見ると、真物の金は僅かに
菲の葉ぐらいかかっていて、中はすっかり銅であった。臧はそこで二成と相談して、断っ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
刀のわざもこれまでである――こう思ってわしは寝る眼も休まず勤労して来たものだが、
菲才《ひさい》はいかにしても
菲才で、恥ずかしながらいまだ一風を作《な》すところま....
「私の文学」より 著者:織田作之助
なれるのが、この国の文壇だ。だから、私でも作家になることが出来た。私はただ自分の
菲才を知っているから、人よりはすくなく寝て、そして人よりは多くの金を作品のために....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
序文に代う 一日一題禿筆を呵し、百日百題凡書成る、書成って再閲又三閲、瓦礫の文章
菲才を恥ず。 昭和二十一年八月十七日より稿し初め、一日に必ず一題を草し、こ....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
居りしが、かくてはその災害を待つに同くして本意に非ざれば、今より毎年|寸志までの
菲品を呈すべしとて、その後は盆と暮に衣物金幣、或は予が特に嗜好するところの数種を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
「レ・ミゼラブル」の翻訳を私が仕上げたのは、ずいぶん以前のことである。年少|
菲才《ひさい》の身をもって事にあたったので、意に満たぬ点が多々あった。しかるに今....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
などは一向匂いなにかは平気な様子でただ虎のでけえのに驚いている。(十五日) ▼芳
菲山人より来書。(十七日) 拝啓昨今御病床六尺の記二、三寸に過ず頗る不穏に存候間....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
しゅんぷう》に柳絮《りゅうじょ》は雪と飛び黄葉《こうよう》は秋風《しゅうふう》に
菲々《ひひ》として舞うさまを想見《おもいみ》れば宛《さなが》ら青貝の屏風《びょう....
「申訳」より 著者:永井荷風
のを編纂し、文芸諸名士のカッフェーに関する名文を網羅して全冊を埋めていた。されば
菲才僕の如きものが、今更カッフェーについて舛駁《せんばく》なる文をつくるのは、屋....