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萃
「萃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
嫌悪の風潮で、ゲルベルトをまるで妖術師扱いにしているのだが、とにかくその一節を抜
萃してみよう。一種の錬金抒情詩なんだよ。
ゲルベルト畢宿七星を仰ぎ眺めて
平....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
を実行した。如何に彼が豪放であり、如何に彼が派手好きであったか、古書から少しく抜
萃ことにしよう。 「……諸事凡て江戸、大阪等、幕府直轄地同様の政治をなさんとせり....
「断層顔」より 著者:海野十三
は故郷の山でつんだ番茶を入れた大きな湯呑をそばにおいて、ラジオのニュース放送の抜
萃を聞き入っているとき、カユミ助手が入って来て、来客のあるのを告げた。そしてテレ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
を使っている位だったから、長い勅語など、到底覚え切れなかった。私は短い、孝経の抜
萃や明治天皇の御製ばかりをとなえていた。ある日、先生から、青少年にたまわりたる勅....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
配され、子供等はそれを食べてしまったあとでもなお囲みを解かず、小さな眼を皿の中に
萃めていると、彼は急に五指をひろげて皿を覆い、背を丸くして 「たくさん無いよ。わ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ンをここで見たことを憶えている。当時この館では写真の合間にオーケストラが歌劇の抜
萃曲などを必ず一曲演奏することになつていたので、そのころやつと音楽に興味を感じは....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ヴィア神話にあって、ヴィベルンゲンの伝説、ニーベルンゲン伝説などと、いくつかの抜
萃集成にほかならない。 ところが、ワグナーに編まれて尨大な楽劇になると、はじめ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
第二回 沙漠の古都 六 (以下は支那青年張教仁の備忘録の抜
萃である) 夕暮れは室へも襲って来た。卓上のクロッカスの鉢植えの花は、睡むそう....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
じように怪談をし、彼にとってかけがえのないコットン・マザーの著書からいろいろと抜
萃し、またそれに加えて、生れ故郷のコネティカット州でおこった事件をたくさん話した....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
無双 妙椿 八百尼公技絶倫 風を呼び雨を喚ぶ幻神の如し 祠辺の老樹|精
萃を蔵す 帳裡の名香美人を現ず 古より乱離皆数あり 当年の妖祟豈因無からん 半世....
「松園女史の思い出」より 著者:金子薫園
と、莟のふくらみかけた大木の丁子の枝遷りして、わが世の春の閑かさ暖かさをこの時に
萃めているように。 (昭和二十五年)....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
チーセといって居る。その雪峰は世界の霊場といわれるほどあってヒマラヤ雪山中の粋を
萃め、全く
を成して居る。その霊場の方向に対してまず私は自分の罪業を懺悔し百八....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
する声明書……付、被告らの陳述と陳述以外の証言。その一問一答の裁判記録よりの、抜
萃」と題する冊子ができあがったのである。蜂起は、長い熟慮の後で慎重に行なわれた計....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
この書は仏典や禅書から、いわゆる悟りの為になることや修業者の策励になることが、抜
萃してある仏教の金言警句集とでもいったような性質の書物である。 いま慧鶴青年は....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ベートーヴェンの生家であり、現在は博物館〕にある。ダイタースが(次頁参照)その抜
萃を出版した。 〔F. G. Wegeler und Ferdinand Rie....