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萄
「萄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
さい黄金虫《こがねむし》が一匹、仰向《あおむ》けになってもがいていた。T君は白葡
萄酒《しろぶどうしゅ》を床《ゆか》へこぼし、妙な顔をしてつけ加えた。
「皿を壁へ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
わなければ、悪魔も味方にはしていないのです。ただ阿媽港《あまかわ》にいた時分、葡
萄牙《ポルトガル》の船の医者に、究理の学問を教わりました。それを実地に役立てさえ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
や》へはいりました。そのまた小さい部屋の隅《すみ》には黒いヴェヌスの像の下に山葡
萄《やまぶどう》が一ふさ献じてあるのです。僕はなんの装飾もない僧房を想像していた....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
もあの爺《じい》さんを見ろよ。」
「あの爺さん」は僕等の隣《となり》に両手に赤葡
萄酒《あかぶどうしゅ》の杯《さかずき》を暖め、バンドの調子に合せては絶えず頭を動....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
いえ》の後《うしろ》に、小さな綉閣《しゅうかく》が一軒見える。その前には見事な葡
萄棚《ぶどうだな》があり、葡
萄棚の下には石を畳《たた》んだ、一丈ばかりの泉水があ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
ばびろ》の帽子をかぶって、安物《やすもの》らしい猟服《りょうふく》を着用して、葡
萄色《ぶどういろ》のボヘミアン・ネクタイを結んで――と云えば大抵《たいてい》わか....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
たちのことを、ヨハネの洗礼を受けられたことを、山上の教えを説かれたことを、水を葡
萄酒《ぶどうしゅ》に化せられたことを、盲人の眼を開かれたことを、マグダラのマリヤ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
の学生だった本間さんは、午後九時何分かに京都を発した急行の上り列車の食堂で、白葡
萄酒《しろぶどうしゅ》のコップを前にしながら、ぼんやりM・C・Cの煙をふかしてい....
「少年」より 著者:芥川竜之介
師のように小さい幸福を所有していた。大徳院《だいとくいん》の縁日《えんにち》に葡
萄餅《ぶどうもち》を買ったのもその頃である。二州楼《にしゅうろう》の大広間に活動....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
かんいん》等に於ても、決して「黄金の島」を探しに来た西班牙人《スペインじん》、葡
萄牙人《ポルトガルじん》、和蘭人《オランダじん》、英吉利人《イギリスじん》等に劣....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
………………………………… その我上に翻したる旗は愛なりき。 請ふ、なんぢら乾葡
萄をもてわが力を補へ。 林檎をもて我に力をつけよ。 我は愛によりて疾みわづらふ。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
手がかりとして、樹草の種類を判断せよとは、イエス自身の教うる所である。刺のある葡
萄や、無花果はどこにもない。われ等が、果して正しき霊界の使徒であるや否やは、われ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
には尽されません。極かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡
萄酒を汲んで、天竺生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれていると、そのまわりに....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
はどんなに彼女たちのなかで目立ったことだろうか。周囲の木々にからみついている野葡
萄の実をとってやったり、彼女たちを面白がらせるために墓石の銘を全部朗唱したり、あ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
奥さんもたまには来られた様であったが、香椎の山奥で作ったと云う水密桃だの梨だの葡
萄だのを市場――筆者の父は青物果実問屋の親爺であった――へ持って来られていたのを....