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「萌える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

萌えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
石狩川」より 著者:本庄陸男
けれども季節は手違いなくめぐって来た。雪は上から陽光にいためつけられ、地から萌えるぬくもりに擽《くす》ぐられた。いたたまれないのである。冬は、もはやその座を....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
春がおとずれ初夏が来た。山の雪はおおかた消え欝々たる緑が峰に谷に陽に輝きながら萌えるようになった。辛夷、卯の花が木の間に見え山桜の花が咲くようになった。鶯の声....
文字のある紙片」より 著者:宮本百合子
には、涙が道づれでない。悲歎は嵐だ。或る時は、春さきの暴風雨だ。濡れた心から芽が萌える。苦しさ、この苦しさは旱魃だ。乾く。心が痛み、強ばり罅《ひび》が入る。 ....
田端の汽車そのほか」より 著者:宮本百合子
がしく、エメラルド・グリーンに輝いたフランスの絵の樹木の色を思い出させた。焦土に萌える新しい緑へのよろこびからばかり、その美しさが見えたのではなかった。 〔一九四七年七月〕....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
お通が、柳生を去ってから、はや二十日の余も過ぎた。 去る者は、日々にうとく、萌える春は、日々に濃くなる。 「だいぶ、人出だな」 「されば、今日あたりは、奈良....