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萌え立つ
「萌え立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萌え立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
柳並木の下を往ったり来たりした。白壁にあたる温暖い日は彼の眼に映った。その焦々と
萌え立つような光の中には、折角彼の始めた長い仕事が思わしく果取らないというモドカ....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
涙があふれる。平和な気持ちになった。
(五月×日)
なまぐさい風が吹く
緑が
萌え立つ
夜明のしらしらとした往来が
石油色に光っている
森閑とした五月の朝。
....
「南路」より 著者:宮本百合子
怠と、生活力の鬱勃《うつぼつ》とが漲って来る。この樹木と草とが、先を競って新緑に
萌え立つだろう三四月頃を想うと、北方の血をうけた自分は、息の窒るような心持がした....
「白くれない」より 著者:夢野久作
様に書き綴り行く程に思ひの外に筆進まず。二月がほど日を送り、早くも梅雨上りの若芽
萌え立つ今日の日はめぐり来りぬ。 さる程にわれ、今朝の昧爽より心地何となく清々....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
に話しに来て色々面白いことを聞かされた。残雪がまだ消えやらず化粧柳の若芽が真紅に
萌え立つ頃には宿の庭先に兎が子供を連れて遊びに来たり、山鳥が餌をあさり歩くことも....