萎縮[語句情報] » 萎縮

「萎縮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

萎縮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
》いて見た。 鼻は――あの顋《あご》の下まで下っていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は僅《わずか》に上唇の上で意気地なく残喘《ざんぜん》を保っている。所....
星座」より 著者:有島武郎
りも得せず、その手紙を取り上げてみた。たしかに父の手蹟に相違なかった。ちびた筆で萎縮《いしゅく》したように十一月二十三日と日附がしてあった。それを見るとややあわ....
器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
てその服地の匂いが私の寂寥を打ったとき、何事だろう、その威厳に充ちた姿はたちまち萎縮《いしゅく》してあえなくその場に仆《たお》れてしまった。私は私の意志からでな....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ないうちに上司へ具申して、身の潔白を立てようと思ったのであった。 そこで僕は、萎縮しきった浅間信十郎になりきって、虎御前の腕に書きつけられた地図を思い出しなが....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
く湿度計は乾湿ハイグロメーターの湿球のような状態におかれ、水銀は急に熱を奪われて萎縮したことでしょうし、湿度計の方は、その傍に居る人の衣服がポッポッと湯気を出し....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
等を圧しているんだ。そこへもってきて、あまりに唐突な終局なんだ。ああ、憐れむべき萎縮じゃないか。どうして、この男の想像力が、あのサルヴィニ張りの大芝居だけで、尽....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
炭坑夫の罷工の時には、このC・G・Tの首領等が、目下の独仏の危機に際して石炭業の萎縮を謀るのは敵国のためにするものだ、というようなことを言い廻って、坑夫等をなだ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ェの輝かしい優しい眼の前に立った。 彼は憤怒と失望に熱狂して、ひと睨みで彼女を萎縮させてやろうと思いつめていたのであるが、さて彼女の実際の姿に接すると、すぐに....
女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
るのに、女にそれが許されないのだろう。 外側をためてばかりいると、内側の生命が萎縮してしまう。 男が伸々と拘束なしに内側の生命を伸す間に、女は有史以来|圧え....
最小人間の怪」より 著者:海野十三
て別にさわぐでもなかった。むしろ憐憫の目を向けているような感じがして、私は一層|萎縮した。 ヤナツの妻君にも紹介された。やはり灰色の丸い顔をしていて、髪を背中....
遁走」より 著者:葛西善蔵
何ができるだろう? 彼が躍起となって鞭撻を加えれば加えるほど、私の心持はただただ萎縮を感じるのだ。彼は業を煮やし始めた。それでもまだ、彼が今度きゅうに、会のすん....
贋物」より 著者:葛西善蔵
都会風に色も白く、艶々した風ではなかった。いかにも永い冬と戦ってきたというような萎縮けた、粗硬な表情をしていた。「ただに冬とのみ戦ってきたのだとは言えまい」と、....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
白い丸顔を幾分引き締めて、前窓の敷居を見詰めていた。だがやっぱり心の中ではまさに萎縮しようとする生命の営みの急しさ――政枝が自分に甘えかかるのも頼み切るのも、死....
自由なる空想」より 著者:小川未明
の自由を有している。空想し、想像することの自由を有している。外的関係が、心までを萎縮するとはかぎらない。 現実の上に、真美の王国を築くことのできないものはこれ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
交際が出来にくくなります。 子供を育てるにしろ、人を使うにしろ、相手をすっかり萎縮けさしてしまって、その特色を引き抜いてしまいます。 前述の方法とちょうど正....