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萎靡
「萎靡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萎靡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
さに辛酸《しんさん》を嘗《な》めつつあり。もしさらに一二年を放置せば、心身ともに
萎靡《いび》し終らんとす。坐視《ざし》するに忍びざるものあり。幸いにして東京に良....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
沢庵《たくあん》などの現実的なるものを摂取するならば胃腑《いふ》も濁って、空想も
萎靡《いび》するに違いないという思惑からでもあろうか。食事をすませてから応接室に....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
も彼も降参気分になって終《しま》ったのでは其後がいけない、其家の士気というものが
萎靡《いび》して終う。藤五郎も其処を慮《おもんぱか》って斯様いうことを言ったもの....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
にうれしくして、一種言うべからざるの感にうたれて、知らず識らず震慄して且つ一身は
萎靡るが如きを覚えたり。此時たるや、精神上に言うべからざるの感を為すは、これ終身....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
劇の中に反映していた。そしてこの劇は、追従《ついしょう》的な画面のように、彼らの
萎靡《いび》した宿命観、化粧室の涅槃《ねはん》境、柔弱な憂鬱《ゆううつ》、などの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
同じく型にはまったものとなる。男子は女子よりもなおいっそう面白みがない。社交界の
萎靡《いび》的影響を受けて、たちまちのうちに精力は鈍くなり、独特な性格は磨滅《ま....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
久子も中野も或は面白がって承知するかも知れなかった。彼女の盲目な肉体は、また彼の
萎靡した精神は、それを受け容れ得るかも知れなかった。だが、おれの魂は頑強に反抗し....
「獅子は死せるに非ず」より 著者:小栗虫太郎
秀新人の出現に、通巻十二号の今となってもまったく見極めが付かないからだ。斯界の、
萎靡沈衰は作家各自より、新人諸君に於いてもっとも甚だしいとする。従って、いかに営....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
「このね、マハナディ川の上流には、ダイアモンド鉱地がある。昔とちがって、いまは
萎靡凋落のどん底にあるが、それでも、肉紅玉髄、柘榴石などに混ってたまたま出ること....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
に述べた。演出家ひとり天才であるという稀な場合を除いて、この傾向は、徒らに演劇を
萎靡させることに役立つのみである。 舞台中心の演劇という表現は、まさに意味がな....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
れて、典型的老獪政治家であるロリス・メーリコフの手に帰した時代で、まさしく幻滅と
萎靡と沈滞と無目的と退嬰と窒息……等々にとざされた灰色の時代であった。出口はない....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
。 椿岳の画の豪放|洒脱にして伝統の画法を無視した偶像破壊は明治の初期の沈滞|
萎靡した画界の珍とする処だが、更にこの畸才を産んだ時代に遡って椿岳の一家及び環境....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ト国のみであるというてもよい位であります。もちろん外にも大乗仏教国はあるけれども
萎靡振わずしてほとんどその真面目を失うて居ります。
今日世界における二つの大乗....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
も、
「時」の渦巻に巻き込まれて、狙った幸福が一つ一つ毀れると、
さすがの空想も
萎靡して、狭い空間にせぐくまる。
その時直ぐに心の底に、「憂」と云うものが巣を食....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、理としては、必ずや通ずる道は備わっておるのでありますから、気持ちとしては決して
萎靡消沈せず、一歩一歩希望を以て踏み出して行くべきであります。 差別と平等の理....