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落し主
「落し主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落し主の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じない夜鷹の身でありながら、人の落した大金は大切に保存して、苦心を重ねて、それを
落し主にかえしてくれた親切を米友として、ここへ来て思い出さないはずはありません。....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
ある。 誰もその眼鏡を、自分のものだとこたえる者はなかった。道夫は、その眼鏡の
落し主のことを心の中に問題にしていたが、一同はそんな事を問題にとりあげてはいなか....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
ついていない立派なおもちゃでした。ネルロは拾い上げて、いろいろ探してみましたが、
落し主が分らないので、それをアロアにやったら、さぞよろこぶだろう、とかんがえまし....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
。すぐに後を追っかけて、ここまで走って来は来ましたが……」 「見付かりましたか、
落し主は?」 「いいえ、それがどこへ行ったものか、見失ってしまいました」 「それ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
落したらしい紙入れを拾いあげ、駅前の交番へそれを届け出た。ところが、その紙入れの
落し主が、ちようどその交番へ来合わせていて、話はすぐにわかつた。
落し主というのは....
「錦紗」より 著者:犬田卯
いなければ眼にとまるはずがない。国道へ出てから落したものなら、まだ落ちたままで、
落し主が探しにやってくるのを待っていてくれるであろう。商人が座敷に座ったままでい....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
ういう訳で、どうにも女の身許を知ることが出来ないのです。ところが、好色破邪顕正の
落し主があなたであるとわかったので、若しや、あなたが、その女の走り出て来るところ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
とつ引っくり返した。 「これや、私が徳島の城下はずれで、フイと拾った物なんです。
落し主は、こちらの半纏をきている若い棟梁、うしろから声をかけましたが、ツイ見失っ....