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落ち着ける
「落ち着ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落ち着けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
涙がぽろぽろとたわいもなく流れ落ちた。家の中では定子の声がしなかった。葉子は気を
落ち着けるために案内を求めずに入り口に立ったまま、そっと垣根《かきね》から庭をの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て、気を鎮めるために寝床の上に坐った。僕はひと晩じゅうこうして坐っていたが、気を
落ち着けるどころの騒ぎではなかった。しかし、窓はさすがにもうあかなかった。僕もま....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
らない。こんなふうにみんなごたごた固まっていても、しかたがない。ともかくからだを
落ち着ける穴をほらなければならない」 かれのことばはみんなを落ち着かせた。てん....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、静かな窓も、海の方から聞こえて来る濤の音も、すべてはこの山上の主人がたましいを
落ち着けるためにあるかのように見える。 「なにしろ青山さんたちは、お二人ともまだ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なぞの木曾路らしいものは、その北側の廊下の位置からは望まれないまでも、たましいを
落ち着けるによいような奥まった静かさはその部屋の内にも外にもある。 「だいぶごゆ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
上に、永久的な事柄にたいする直覚力を有するものである。しかしそれにつかまって身を
落ち着けることは、男よりいっそう困難である。永久的な思想をいだく男は、それを自分....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
動かされて讃嘆した。
司教の方では、断頭台を見たことは一種の感動であった。心を
落ち着けるにはかなりの時間を要した。
実際断頭台がくみ建てられてそこに立ってい....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
降しの不細工な十坪内外の田舎造りではあったが、畳も敷き、雨戸も立てられ、ちょっと
落ち着ける住居である。仮建築に入ると結婚が行なわれ、新家庭が一週間に十組以上もで....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
かし、いつたん逃げられないと思つてしまうと、これでいいんだと言う氣になつて、妙に
落ち着けるのです。細々したことを考えたり、感じたり、言つたりする必要が無くなり、....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
て階段を駈け降りた。通りがかりのタキシーを拾って東京駅に走りつけた。そうして気を
落ち着けるために、わざと二等の切符を買って、桜木町行きの電車に飛び乗った。何だか....