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落合う
「落合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
て威張ったんだがね。困った事には今も話した通り、僕は明日またあの石河岸で、お敏と
落合う約束がしてあるだろう。ところが今夜の出合いがあの婆に見つかったとなると、恐....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
《よらまち》の方からやって来る子安に逢った。毎時《いつも》言い合せたように皆なの
落合うところだ。高瀬は子安を待合せて、一諸に塾の方へ歩いた。 線路|側《わき》....
「並木」より 著者:島崎藤村
て出京するとなれば、連中は過ぐる十年間の辛酸を土産《みやげ》話にして、再び東京に
落合うこととなる。不取敢《とりあえず》、相川は椅子を離れた。高く薄暗い灰色の壁に....
「新生」より 著者:島崎藤村
た。神田川の方からゆるく流れて来る黒ずんだ水が岸本の眼に映った。その水が隅田川に
落合うあたりの岸近くには都鳥も群れ集って浮いていた。ふと岸本はその砂揚場の近くで....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
でどこか人に知れない片田舎へ引越して行く……そしてそこで、死んだ筈の主人とうまく
落合う……おおかた、そんな風にするつもりじゃアなかったでしょうかね。……いやとに....
「家」より 著者:島崎藤村
を離れた。 二人は河口の方へ静かに歩るいて行った。橋の畔へ出ると、神田川の水が
落合うところで、歌舞歓楽の区域の一角が水の方へ突出て居る。その辺は正太にとっての....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いて、言合せはせぬけれど、同じ日、同じ時に、同じ祈を掛けやはる。…… 蛇も二筋
落合うた。 案の定、その場から、思いが叶うた、お二人さん。 あすこのな、蛇屋....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
りましたが、あれだね、どうも妙なもので、此処は旅で、旅で会うのは親類で無くっても
落合うと親類のような気がして、懐かしいもので、変なもので、伊香保なんぞへ往って居....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
ちとの或る会合のあとで、久しぶりに来てみたのだとか、或る相談事のためにここで人と
落合うことになったのだとか、要するに下らないことで、而も、禁酒を誓った相手にでも....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
えってはぐれてしまうだけだわ。……停車場のことなんかなんの話もなかったわ。ここで
落合うことになってたんじゃないの。」 彼はまた彼女のそばにすわった。彼女は彼が....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
カートン氏は、この時笑い声を立てて、ダーネーの方へ振り向いた。―― 「君と僕とが
落合うとはこれあ不思議な※り合せだ。自分にそっくりの人間とここで二人だけでこの鋪....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
て、仙波父子二人が遅れて来ると、欺いたが、うまく欺きおおせるか、もし自分等二人と
落合うものと信じて、もし、ここを離れなかったなら? それが偽りとわかった時、自分....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
、翌十三日午前四時同地を出発しましたが、此処は別山と劍山との中間地で黒部の上流へ
落合う渓流が幅三|米突ばかり、深さ六、七尺もありました、なおその地方は落葉松等の....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
、都会でなければ得られない一つのめぐみであるといって好かった。 約束してそこで
落合うのにも好いだろうし、手軽な見合などするにも好いだろうし、また小説のひとつの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て居る筈がないから、峠へ下るには峰伝いの外はないと信じていたので、浄土山の頂上で
落合うことに約束して置いたのだ、交啄鳥の嘴だってこうは喰違わない筈だと思うと、ど....