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落書
「落書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
冷肉をパク付き、梅干をしゃぶっている心細さ! (一三)駆落《かけおち》の
落書 このミゼラブルな夕食を終ったのは、午後の九時前後であったろう。夜《よ》は....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
をしてみても、何だか調子が会わない。その平和になって、文事ばかりになると、河原の
落書にまで「きつけぬ冠上のきぬ、持もならわぬ笏もちに、大裏交りは珍らしや」と愚弄....
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
れども、客があまり沢山いませんでしたから、わたしたちは互いに身体じゅういっぱいに
落書きをされて平気でお湯へやって行きました。ひとたび湯滝に打たれると、念入りな落....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
俗であっても、相応の意匠を凝らして作成したもので、アメリカの登山小舎に見る鉛筆の
落書や、活字印刷の事務的名刺のはりつけなどよりも、登山そのものを幾分か芸術化させ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
する。その時の僕の呑気な空想を助けたものは、四方の壁のあちこちに書き散らしてある
落書だった。 大がいはみな同じ形式のもので、 〔Rene' de Montm....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
は新聞屋や雑誌屋の手合にまかせておくサ。僕等は直接に芸術の中に居るのだから、塀の
落書などに身を入れて見ることは無いよ。なるほど火の芸術と君は云うが、最後の鋳ると....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、切手をさがすために、メグの机のひき出しをさがすと「ジョン・ブルック夫人」という
落書のしてある紙片がありました。ジョウは、悲しそうなうめき声とともに、その紙片を....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
って、なんとも知れない色をしていた。かべの上にはすみで人間の首だの、花や鳥だのが
落書きしてあった。 「ガロフォリさん、いるのかい」と親方がたずねた。「あんまり暗....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
屋お北の死骸は、赤いしごきを首に纏い、なるほど梁から下がっていた。 壁に無数の
落書きがあった。「ゆるしてください。恐ろしい」「馬子甚三」「信濃追分」「南無幽霊....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
まった。服装も書生風よりはむしろ破落戸――というと語弊があるが、同じ書生風でも堕
落書生というような気味合があった。第一、話題が以前よりはよほど低くなった。物質上....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ンフレットが秘密に印刷され、世上に流布された。ついには、宮殿の白壁にさえ、悪態の
落書きが彫られる有様だった。
落書きで、ベエコンは特別な糺弾の的となった。彼は恩人....
「西航日録」より 著者:井上円了
鼻だせし子供の道に見えざるは国の開けし印なるらん また、街路、塀等になんらの
落書きの跡を見ざるは、実に感心せり。わが国の児童のとりて学ぶべきところなり。同日....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
しての力量の鋭さは掩うべくもない。しかし九条家に対立した土御門通親を五首、『歌仙
落書』という面白い書物まで作ったその子の久我通光を四首におとしたり、その方へ結び....
「隣村の子」より 著者:小川未明
子などが、捨ててありました。なんの気なしに、ガードの壁を見ると、白いチョークで、
落書きがしてあったので、それを見るうちに、子供らしい字で書かれた、……県……村…....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
にドイツではクリスマスはベルリンでと信じ、軍隊輸送列車には「パリ行」と兵士どもが
落書したのである。 しかるに破竹の勢いでパリの前面まで侵入したドイツ軍はマルヌ....