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「落穂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

落穂の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「ねえ、おかみさん。御用でおれは時々こっちへも廻って来るが、もともとこの村の落穂を拾っている雀でねえから、土地の様子はあんまりよく知らねえ。なんでも先月の十....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は安達君の病原に触るゝことが出来なかった。 記念の暁斎画譜は大切に蔵って居る。落穂の掻き寄せ デデン 一月一日 七時|起床。戸を開けば、霜如....
新年号の『文学評論』その他」より 著者:宮本百合子
ることも多くなって来る。 そういう意味で『鋲』『文芸街』の作品、『主潮』の詩「落穂ひろい」小説「中農の伜」「違反」「雑草」など、作品としてはいろいろの未熟さそ....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
と声がして、その鳴く音の高低に、静まった草もみじが、そこらの刈あとにこぼれた粟の落穂とともに、風のないのに軽く動いた。 麓を見ると、塵焼場だという、煙突が、豚....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ざでがしての。縁は異なもの、はッはッはッ。お前様、曾祖父様や、祖父様の背戸畑で、落穂を拾った事もあんべい。――鼠棚捜いて麦こがしでも進ぜますだ。」 ともなわれ....
山の別荘の少年」より 著者:豊島与志雄
な女ですよ。赤ん坊をわらのうえにねかしといて、自分はたんぼのなかにはいりこんで、落穂《おちぼ》をひろいはじめたんです。だんだん向こうへ遠くへいっちゃうんですよ。....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
来たのであろうと思った。場所はどこかの農家の空地とでもいいそうな所で、お七の鶏は落穂でもひろうように徘徊していた。かれは別に治三郎の方を見向きもしないので、彼は....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ってはいられない。その日の糧の不安さに、はじめはただ町や辻をうろついて廻ったが、落穂のないのは知れているのに、跫音にも、けたたましく驚かさるるのは、草の鶉よりも....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いていた当時の、史料あさりの紀行だの、読者から寄せられた考証だの、身辺雑記だの、落穂集的なものも、雑然と、筆のついでに、まとめてみた。 今日になっても、まだ折....
山の人生」より 著者:柳田国男
がり、貰えば宝物にしようとしたことだけは、説かずにはおられぬような感じがする。『落穂余談』という書の巻二に、「駿河の山に大なる男あり。折々は見る者もあり。鹿猿な....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
できないのであった。他の一方に秋の収穫の際のごとく、農民の心が最も鷹揚になって、落穂でも何でも拾って行けというような際に、後家が遣って来てその作業に参与し得なく....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
る責任を有し、その代りに平素相当の扶持を得る慣例のもの)で、稲場とは収穫後田面の落穂を拾う権利であるかと思われる。しかしこれらは問題の牛馬捨場以外のものであるか....