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落第
「落第〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落第の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
学を卒業してから、一高《いちこう》の試験を受けることにした。が、生憎《あいにく》
落第《らくだい》した。彼があの印刷屋の二階に間借《まが》りをはじめたのはそれから....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
だろうということになったが、こんな和文漢訳の問題が出ればどこの学校の受験者だって
落第するにきまっている。
通信部は、日暮れ近くなって閉じた。あのいつもの銀行員....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
世間話などをし始めた。
尊《みこと》はもう髪も髯も白くなった老人ではあるが、部
落第一の学者でもあり、予《か》ねてまた部
落第一の詩人と云う名誉も担《にな》ってい....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
にい》さんを産《う》んだ人ではないはずです。M子さんの兄さんはどこかの入学試験に
落第したためにお父さんのピストルで自殺しました。僕の記憶を信ずるとすれば、新聞は....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
て、あたかも入学試験の及第者が喜び勇んで及第者の群に投ずるような気持で、(その実
落第者でありながら。――及第者も
落第者も共に受験者である如く、神経組織の健全な人....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ゃもう始まっているんじゃないか」 「ええ」 「なぜ帰らないんです」 「どうしても
落第点しか取れない学科があるんでいやになったんです。‥‥それから少し都合もあって....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
たいどの型であろう。演技をやってみせることは私にはできない。説明の才能はほとんど
落第点である。それにもかかわらず私はあくまでも自分の意志を相手の肉体のうえに顕現....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
負い、初冬、枯野の夕日影にて、あかあかと且つ寂しき顔。酔える足どりにて登場)……
落第々々、大
落第。(ぶらつく体を杖に突掛くる状、疲切ったる樵夫のごとし。しばらく....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
白糸 ええ、お勝手を働こうと思違いをして来ました。(投げたように)お目見得に、
落第か、失礼。 欣弥 ええ、とにかく、まあ、母に逢って下さい、お位牌に逢っておく....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
でいた。 その人たちというのは、主に懶惰、放蕩のため、世に見棄てられた医学生の
落第なかまで、年輩も相応、女房持なども交った。中には政治家の半端もあるし、実業家....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
する、皆嘘だ。――画工は画工で、上野の美術展覧会に出しは出したが、まったくの処は
落第したんだ。自棄まぎれに飛出したんで、両親には勘当はされても、位牌に面目のある....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
この主人をはじめ、いつもころがり込んでいる、なかまが二人、一人は検定試験を十年来
落第の中老の才子で、近頃はただ一攫千金の投機を狙っています。一人は、今は小使を志....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
チャリと、お稲ちゃんの手を圧えて、おお可厭だ。」 と払う真似して、 「それで、
落第、もう沢山。」 「どうだか。」 「ほんとうですとも。それからそのニチャリが、....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ま使つているのである。その中にはトーキーに適している人もあるだろうが、同時に全然
落第の組もある。その淘汰はまつたく行われていない。 口をきくということはおしで....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
る後に早大に入ろうと思い、陸軍士官学校を二回、海軍兵学校を一回受けたが、いずれも
落第してしまった。早大志望は募るばかりで、同年九月第二学期から編入試験を受けて、....