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「落胆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

落胆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
相《ひんそう》な女優である。僕はＴ君と同じボックスにタキシイドの胸を並べながら、落胆《らくたん》しない訣《わけ》には行かなかった。 「カルメンは僕等のイイナじゃ....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
ない。ただあらゆる浮浪人のようにどこかへ姿を隠してしまったのである。伝吉は勿論｜落胆《らくたん》した。一時は「神ほとけも讐《かたき》の上を守らせ給うか」とさえ歎....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
今までの心の緊張が弛《ゆる》んだと云う以外にも、折角の当てが外《はず》れたと云う落胆まで背負わずにはいられませんでした。 ところがその荒物屋の前へ来ると、浅草....
「或る女」より 著者:有島武郎
貞世は、かわいそうに死にます」 「ばかな……あなたにも似合わん、そう早《はよ》う落胆する法があるものかい。どれ一つ見舞ってやろう」 そういいながら倉地は先刻か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いて見ると、あたかもその裏へ、目的物が出る筈の、三の面が一小間切抜いてあるので、落胆したが、いや、この悪戯、嬢的に極ったり、と怨恨骨髄に徹して、いつもより帰宅の....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
トルも見えますか？ 王女 ええ、ずいぶん古いマントルじゃありませんか？ 王子 （落胆したように）わたしの姿は見えないはずなのですがね。 王女 （驚いたように）ど....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ったような宿屋はござりませんかと、賑かな町の中を独りとぼとぼと尋ね飽倦んで、もう落胆しやした、と云ってな、どっかり知らぬ家の店頭へ腰を落込んで、一服無心をした処....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
の方が乱暴だい。よっぽど乱暴だ、無鉄砲極まらあ、ああ。」 とまた息｜吐きつつ、落胆したる顔色して、ゆるやかに踞いたり。 「え、おい、胸でも突かれたら、おい貢、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
めに、三晩とは措かず盗まれてしまったので、祖父は最後の目的の水の泡になったのに、落胆して煩い着いたが、滝太郎の舌が廻って、祖父ちゃん祖父ちゃん、というのを聞いて....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ぐ、跳越え、跳越え、倒れかかる蘆を薙立てて、近づくに従うて、一面の水だと知れて、落胆した。線路から眺めて水浸の田は、ここだろう。…… が、蘆の丈でも計られる、....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
詰らない飴細工ばかり引き当てて、欲しいと思う橋弁慶なぞは、何時も取ったことがなく落胆したものだった。 物売りの部へ入れるのは妙だが、神田橋本町の願人坊主にも、....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
なるはずでしたが、その船乗りが秋にならなければ帰れないという手紙をよこしたので、落胆してしまったのでした。木の葉が落ちつくして、こがらしのふき始める秋まで待つ事....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
らこッてえ、せめて軍鶏でも居りゃ、そんな時ゃあ阿魔の咽喉笛を突つくのに、」 と落胆したようにいったが、これは女房には分らなかった――蔵人のことである。 「余程....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、飲みがまえで、ずらりとお並びさ、貴方。 近常さんは、驚いたのと、口惜いのと、落胆したのと、ただ何よりも恥かしさに、鏨と鉄鎚を持ったなりで……そうでしょうね―....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の方まで殺したのか。御方の失せさせたまいし上は、最早この世に望みは無し、と下枝は落胆気落ちして、「もう聞とうない、言とうない。さあお殺し。と口にて衣紋を引合わせ....