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落胤
「落胤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落胤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
でもない。ただ、義経《よしつね》と鉄木真《てむじん》とを同一人にしたり、秀吉を御
落胤《ごらくいん》にしたりする、無邪気な田舎翁《でんしゃおう》の一人だったのであ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しき五百石取りの旗本|真柄《まがら》権之丞《ごんのじょう》様の、ただおひとりのお
落胤《らくいん》にござります。なれども、悲しいことに、そのお腹さまがあまりご身分....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いうのも随分あったもんですよ」と、老人は云った。「尤もそこは女だけに、将軍家の御
落胤というほどの大きな触れ込みをしないで、男の天一坊ほどの評判にはなりませんでし....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
の中で、どうか、これが真実の母子でなくってくれたら好い、何かしかるべき人が内証の
落胤とでもいうのであったならば……というような空想を描いたことも事実であった。が....
「爛」より 著者:徳田秋声
増はお今と顔ばかり突き合わしてもいられなくなると、静子をつれだして、向うの博士の
落胤だという母子の家へ遊びに行ったり、神田の隠居の店へ出かけて行ったりした。そん....
「殺された天一坊」より 著者:浜尾四郎
表に参りませず、上方に居た頃だったと存じます。 恐れ多くも公方《くぼう》様の御
落胤《ごらくいん》という天一坊が数人の主だった者と共に江戸表に参ろうという噂が早....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のだけ幽に覚えているんですが、人の妾だとも云うし、本妻だとも云う、どこかの藩候の
落胤だとも云って、ちっとも素性が分りません。 娘は、別に異ったこともありません....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
。それはドイツ古典哲学の終焉の後に、社会学という保護色の下に今日まで生きのびた、
落胤である(アルフレッド・ヴェーバーの歴史主義的伝統に於ける文化社会学は、この点....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
納申付くべし」
と申しつけたということである。
その伝統を承って、これは家康の
落胤《らくいん》だといわれた土井大炊頭《どいおおいのかみ》の如きは、ある年、その....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
納申し付くべし」と申しつけたということである。 その伝統を承って、これは家康の
落胤《らくいん》だと言われた土井大炊頭《どいおおいのかみ》の如きは、ある年、その....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
東浦賀新井町の石井山三郎という廻船問屋で、名主役を勤めました人で、此の人は旗下の
落胤ということを浦賀で聞きましたが、其の頃は浦賀に御番所がございまして、浦賀奉行....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
一 徳川八代の将軍|吉宗の時代(享保十四年)その
落胤と名乗って源氏坊天一が出た。世上過ってこれを大岡捌きの中に編入しているのは、....
「西瓜」より 著者:永井荷風
の方で一人でそう思っていられるのじゃないですか。あなた自身も知らないというような
落胤《おとしだね》があって、世に生存していたらおかしなものですな。」と言う。 「....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
近衛家の姫君であるとも云い、或いは藤太の母親は最明寺殿の側室で、藤太も実は時頼の
落胤であるのだとか、或いは藤太はかの金売吉次の父親であるのだとか。地方によってい....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ある――そうして彼の幼年時代から彼女になじんできてもいるし、継母がヘンリ八世の御
落胤であるという縁は非公式でも、現実には彼女につながりを持つ身だった。やっと彼は....