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落飾
「落飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
宮《とうぐう》に坐し世人蹲踞太子と申したてまつる、弘仁元年九月十二日三十七歳にて
落飾し東大寺の道詮律師の室に入らせて真如親王となん申しき、弘法大師に随いて真言宗....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
渦巻き始めた新興勢力の苗床にまで及んで行った。京都にある鷹司、近衛、三条の三公は
落飾を迫られ、その他の公卿たちの関東反対の嫌疑のかかったものは皆謹慎を命ぜられた....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
家だった。京都五条の橋の西の御影堂が本家で、敦盛《あつもり》の後室《こうしつ》が
落飾して尼になり、阿古屋扇《あこやおうぎ》を折って売り出したのが、いまに伝わって....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
の建暦元年には、ようやく十二歳になられ、その時の別当|定暁僧都さまの御室に於いて
落飾なされて、その法名を公暁と定められたのでございます。それは九月の十五日の事で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を待ち合すごとく、弘法大師その他の名僧信徒、殊《こと》に畏《おそ》れ多いが至尊で
落飾された方々もこの弥勒の出世をあるいは入定したり、あるいは天上霊域で待ち合され....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
の花が散ると間もなく、四月の十三日というに、照雲上人を戒師と頼んで盧山寺において
落飾し、法名堯空、逍遙院と号した。後世永く歌人の間に尊ばれた逍遙院内府の名は、こ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
寄りますと、出てまいりまして、私に泣く泣く出家の希望を述べて授戒を求めましたので
落飾させてまいりました。私の妹で以前の衛門督の未亡人の尼君が、亡くしました女の子....
「源氏物語」より 著者:紫式部
怪の仕業でしょうね。普通のふうにお見えになる時もなくて始終御病気続きでね。それで
落飾もなすったのを、御縁のある方が訪ねておいでになった時に、これでは申しわけがな....
「雪の宿り」より 著者:神西清
て月の変りますと早々、これもあなた様よく御存じのとおり、姫君はおん齢十七を以て御
落飾、法華寺の尼公にお直り遊ばしたのでございます。……ああ、あの文庫のことをお尋....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
菩提《ぼだい》を弔《とむら》うの例もあれども、今の世間の風潮にて出家《しゅっけ》
落飾《らくしょく》も不似合《ふにあい》とならば、ただその身を社会の暗処《あんしょ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
さまでな君も、徳治二年ふとご病死された。花の命は短かった。ご悲嘆のあまり後宇多は
落飾(出家)されたほどである。またまったく、これいらいは老いこまれた。 なお、....