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落首
「落首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
々もので、何時だしぬけに土手っ腹を抉られるか判らないというわけです。文化のころの
落首にも『春の夜の闇はあぶなし槍梅の、わきこそ見えね人は突かるる』とか、又は『月....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
は備前《びぜん》摺鉢《すりばち》底抜けて、池田宰相味噌をつけたり と云うような
落首まで立つ位になったから意地として池田|忠雄公《ただたけこう》は又五郎を討たず....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ある。しかし、この類《たぐい》の禁令はとかくに行われにくいものと見えて、その頃の
落首に、 きかぬもの、たばこ法度に銭法度、 玉のみこゑにけんたく....
「ペンクラブのパリ大会」より 著者:宮本百合子
実と、今日の日本の詩のありようと、芸術的内容とは切りはなして語ることは出来ない。
落首というものは、古来、愛すべき民衆の集団的発言の形式であったし、零細な、鋭い可....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
『美』はARTにはないものと見えます」と、徳川時代の町人文学の一つであった川柳、
落首の様式を踏んでいる。ZORAでなくてZOLAですよ、という投書ものっている。....
「政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
精神のうちにはいつも鋭い諷刺の精神がある。日本の徳川末期、町人階級はそれを川柳・
落首その他だじゃれに表現した。政治的に諷刺を具体化する境遇におかれていない鬱屈を....
「待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
誰のどれという茶話も出るかもしれない。彌次というものを、庶民的な短評の形、川柳、
落首以前のものとして考えれば、その手裏剣めいた効果、意味、悉く否定してしまうこと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
殿様が家の下じきになって、何とかして地震の下からほった(掘った、堀田)殿様という
落首が出来たりしたそうです。昔の災難は今からきくと何となし単純で、直接法で、それ....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
た。 主をきり聟をころすは身のをはり、昔は長田、今は山城 というのが、当時の
落首だ。山城とは、斎藤山城入道道三のことだ。微罪の罪人を牛裂きにしたり、釜で煮殺....
「雪の宿り」より 著者:神西清
ち、この谷奥の庵に住んでいる。真蘂和尚と一緒だよ。地獄谷に真蘂とは、これは差向き
落首の種になりそうな。あの狸和尚、一思いに火の中へとは考えたが、やっぱり肩に背負....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
は上州沼田の下新田から六百文の銭をもって出て参りました身代でござります。其の頃の
落首に「本所に過ぎたるものが二つあり津軽大名炭屋鹽原」と歌にまで謡われまして、十....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
五右衛門は絶息した。 仮屋の周囲には京都の老若男女が堵の如くに集って見物した。
落首の中に「比類なき名をば雲井に揚げおきつやごゑを掛けて追腹を切る」と云うのがあ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
にお天道様が光らない日があっても、釘抜藤吉の睨んだ犯人《ほし》に外れはないという
落首が立って、江戸の町々に流行《はや》りの唄となり無心の子守女さえお手玉の相の手....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
からず。五渡亭国貞は「歌川を疑はしくも名乗り得て二世の豊国|贋《にせ》の豊国」の
落首《らくしゅ》に諷刺《ふうし》せられしといへどもとにかく歌川派の画系をつぎ柳島....
「身の上や」より 著者:長谷川伸
さんざんにやッつけられ、「伐ってとれ竹八月に木六月、茨の首は今が切りどき」という
落首さえあったその頃、茨木理兵衛は農人群の悪罵のうちに、一方では岡本五郎左衛門の....