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葉風
「葉風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葉風の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
物音、たちまち起こり、たちまち止み、しだいに近づき、しだいに遠ざかり、頭上の木の
葉風なきに落ちてかすかな音をし、それも止んだ時、自然の静蕭《せいしょう》を感じ、....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ら、出しなに、台所を竊《そっ》と覗《のぞ》くと、灯《ともしび》は棕櫚《しゅろ》の
葉風《はかぜ》に自《おのず》から消えたと覚《おぼ》しく……真の暗がりに、もう何ん....
「雨の昼」より 著者:宮本百合子
れぞれ活きていて、ババをやっているゲラルディーネは、真白に洗濯されたエプロンが青
葉風にひるがえっているような心持で面白かった。十二年前、二人の娘とカルタで負けた....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
用いるか口語体を用いるか、文語体にしても漢文体か擬古文体か、口語体にしても話し言
葉風のものか近代文章語体か、それとも又新聞記事体か、ということが次の段階のスタイ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
、お講義はこの位にしておいて、こんどの奴はどんな主題にしてやろうか。なんしろ、万
葉風となると、はじめての領分なのだから、なかなかおいそれとは手ごろな主題も見つか....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ですって。茅ヶ崎と根岸とで歌のやりとりをして、この頃はいくらかずつおじいさんに万
葉風をしこんでいるのですって。左千夫がおばあさんのお気に入りだって。いい歌がある....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り並んで見えるのは面白い眺めでしたのにね)人麻呂はこういうスケールが得意。 青
葉風肌爽やかに吹く日なりわれは若葦笛ならましを (うたのこころはあなたにこそ、....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
も、其生命を寓するに適した強い拍子に値うて、胸を張っていたのだ。其程感に堪えた万
葉風の過ぎ去るのは、返す返すも惜しまれる。歌壇に遊ぶこうした年少不良で、享楽党の....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
んだ離れ小島だ。黒い岩山の上をまっ白な鴎《かもめ》がとび、海岸には椰子《やし》の
葉風がそよそよと吹いている。 あたたかい、平和な南の島だ。 しかし、その椰子....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、『古今集』の中でも割に古い歌と思われる読人不知の歌、つまり作者不明の歌には、万
葉風の感じられる歌もあるが、大体の特色をなす声調は、『万葉』と『古今』とではかな....