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「著する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
著するの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
保と脩とは再び東京にあって母の膝下に侍することを得たが、独り矢島|優のみは母の到
著するを待つことが出来ずに北海道へ旅立った。十月八日に開拓使御用|掛を拝命して、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
るいは時鳥《ほととぎす》とか鶏とか、甚だしきは神武天皇の御事だとか、紛々として帰
著する所を知らなんだ。それを嘲《あざけ》った「猿ならば猿にしておけ呼子鳥」と市川....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
す」 釜礁は港の口に当る処に横たわった大きな礁で、それを砕きさえすれば工事も落
著するのであった。 「釜礁がどうしたのか」 「此の二三日、彼の釜礁は、竜王が大事....
「風波」より 著者:井上紅梅
周し完って話を引取った。「棒を恨んで人を打つ。それがなんだ。大兵が今にもここへ到
著するのをお前達は知らないのか。今度おいでになるのは張大帥だ。張大帥はすなわち燕....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
己主義には深い根拠があり合理的に、正直に思索するときには誰しも一応は利己主義に帰
著するくらいのものである。むしろここから反転して利他主義に飛躍するのが道筋ともい....
「省察」より 著者:デカルトルネ
わちただ私が明晰かつ判明に知覚するもののみが私をまったく説得するということ、に帰
著するのである。そしてたしかに、このように私が知覚するもののうち、或るものは何人....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
出発する。途で会う一人の寡婦の歎願を押し除けて、日がとっぷり暮れてから彼の館に到
著する。彼は著くとすぐに、イギリスから来るはずのムシュー・シャルルが著いているか....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
なかった。そしてこう思った。これもまた貌を変えた執著であろうと。彼は執著をまた執
著するのである。おれには最早過去があるばかりだ。背後が頻りに顧みられる。背後には....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
いながら、それが結局はことごとく魂の苦悶であり、あの世の音信であるということに帰
著するのは、単独に幼ない者だけの経験ではなかった証拠ではないか。 だからもしこ....