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「著る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

著るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
性急な思想」より 著者:石川啄木
一 最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく性急《せっかち》にした。意地の悪い言い方をすれば、今日新聞や雑誌の上でよ....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
しも馬太伝に譲らないのである、医学者ルカに由て著わされし路加伝も亦他の福音書同様著るしく奇蹟的であって又来世的であるのである、イエスの出生に関する記事は措いて問....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
られないほど陰気な色の雲が、白けた太陽の光を遮る度に、或は濃く或は薄く、水の色が著るしく映え変る。と、横ざまの疾風を受けて、藍色の海面は白く光る、小さな風浪に覆....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
部揃っていた。レイボールドの『米国書目』は米国書目中の貴重書として珍重されて時価著るしく騰貴しているが、此の貴い書目も丸善の誇りの一つであった。学術上から云った....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
立てられてから、有らゆる出版業者は皆奮って雑誌を発行した。文人が活動し得る舞台が著るしく多くなった。文人は最早非常なる精力を捧ぐる著述に頼らなくても習作的原稿、....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
いてあった。阿Qははなはだ心苦しく思った。それは葬式の著物のようで、葬式の著物を著るのは縁喜が好くないからだ。しかしそう思うまもなく彼は両手を縛られて、ずんずん....
風波」より 著者:井上紅梅
危険のある事を彼女は察した。というのは趙七爺のこのリンネルの長衫は、ふだん無暗に著るものでない。三年このかた彼がこの著物に手を通したのは只の二度切りで、一度は彼....
取舵」より 著者:泉鏡花
約二時間なり。 陰※たる空に覆れたる万象はことごとく愁いを含みて、海辺の砂山に著るき一点の紅は、早くも掲げられたる暴風|警戒の球標なり。さればや一|艘の伝馬も....
寡婦」より 著者:秋田滋
て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。取るものも取り敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所まで駈けて行ったのです。私は駈けました、力つきて倒れてし....
式部小路」より 著者:泉鏡花
かけて、葉色の明りはありながら、茂りの中に、薄暗く居た一人の小男。 紅葉の中に著るく、まず目に着いたは天窓のつるりで、頂ャ兀げておもしろや。耳際から後へかけて....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
絵風の得意の泥画は「俺の画は死ねば値が出る」と生前豪語していた通りに十四、五年来著るしく随喜者を増し、書捨ての断片をさえ高価を懸けて争うようにもてはやされて来た....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
があったというが、カメレオンの名代ならYにも勤まる。 そういえばYの衣服が近来著るしく贅沢になって来た。新裁下しのセルの単衣に大巾縮緬の兵児帯をグルグル巻きつ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
無視する事は出来ない。 かつまた美妙と二葉亭との文体は等しく言文一致であっても著るしい語系の差異がある。美妙は本とが韻文家であって韻語に長じ、兼ねて戯文の才が....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
々と署名して打って出たという事は実に青天の霹靂といおう乎、空谷の跫音といおう乎、著るしく世間を驚かしたものだ。 自分の事を言うのは笑止しいが、私は児供の時から....
古事記」より 著者:太安万侶
中の枝の枝先の葉は 下の枝に落ちて觸れ合い、 下の枝の枝先の葉は、 衣服を三重に著る、その三重から來た子の 捧げているりつぱな酒盃《さかずき》に 浮いた脂《あぶ....