»
葛
「葛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
どす勢いで、あふれて来る血のにおいと、――そういう想像は、おのずから太郎の手を、
葛巻《つづらま》きの太刀の柄《つか》へのばさせた。
「うそじゃ。うそじゃ。おぬし....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
いく子さんに献ず
一
昔、大和《やまと》の国|
葛城山《かつらぎやま》の麓に、髪長彦《かみながひこ》という若い木樵《きこり》が住....
「葱」より 著者:芥川竜之介
いらっしゃいよ。」と、嬌嗔《きょうしん》を発したらしい声を出した。――
こんな
葛藤《かっとう》が一週間に何度もある。従ってお君さんは、滅多にお松さんとは口をき....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
悪魔の何たるを知らず、況《いわん》やまた、天地作者の方寸をや。蔓頭《まんとう》の
葛藤《かっとう》、截断《せつだん》し去る。咄《とつ》。
(大正七年八月)....
「或る女」より 著者:有島武郎
のたうち回るのを見やる蛇使いのように、葉子は冷ややかにあざ笑いながら、夫人の心の
葛藤《かっとう》を見やっていた。
単調な船旅にあき果てて、したたか刺激に飢えた....
「或る女」より 著者:有島武郎
うへ貞世を連れて行く時間はただ矢のように飛んで過ぎると思えた。
この奇怪な心の
葛藤《かっとう》に加えて、葉子の健康はこの十日ほどの激しい興奮と活動とでみじめに....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
真暗なところを長い間歩いていたぼくにはたいへんうれしかった。寒いだろうといった。
葛湯《くずゆ》をつくったり、丹前《たんぜん》を着せたりしてくれた。そうしたらぼく....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
い事を僕に信ぜしめる。しかし僕はこの上の想像を避けよう。ともかく君はかかる内部の
葛藤の激しさに堪えかねて、去年の十月にあのスケッチ帳と真率な手紙とを僕に送ってよ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、緩慢な歩き方はしていない。自分の生命が脅かされているくせに、外界に対してなお閑
葛藤を繋いでいるようなお前に対しては、恐らく私は無慈悲な傍観者であるに過ぎまい。....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
様と坊ちゃまのお骨と聞いて、安心したも、おかしなものでございますがね、一軒家の化
葛籠だ、天幕の中の大革鞄じゃあ、中に何が入ってるか薄気味が悪かったんで。 (へい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
酢などという代表的なやつを並べると、お時が店をしめて、台所から、これが、どうだい
葛籠に秘め置いた小紋の小袖に、繻珍の帯という扮装で画伯ご所望の前垂をはずしてお取....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、鼠の噛った穴から、白い切のはみ出した、中には白骨でもありそうな、薄気味の悪い古
葛籠が一折。その中の棚に斜っかけに乗せてあった経机ではない小机の、脚を抉って満月....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
、手元に書きとめてある凧の句を二ツ三ツ挙げて見よう。 えた村の空も一つぞ凧 去来
葛飾や江戸を離れぬ凧 其角 美しき凧あがりけり乞食小屋 一茶 物の名の鮹や古郷の....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
いざなわれたり。雅潔なる座敷の飾りに居心落付かず、見じと思えど四方の見らるるに、
葛布にて張りたる襖しとやかに明きて清げなる小女茶を運び出でたり。忝けなしと斜に敷....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
もまだ張り子の亀の子は売っている。」 僕等は「天神様」の外へ出た後「船橋屋」の
葛餅を食う相談した。が、本所に疎遠になった僕には「船橋屋」も容易に見つからなかっ....