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「葛の葉の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葛の葉のの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
と題してある。宗助は膝《ひざ》を突いて銀の色の黒く焦《こ》げた辺《あたり》から、葛の葉の風に裏を返している色の乾いた様から、大福《だいふく》ほどな大きな丸い朱の....
地球盗難」より 著者:海野十三
りてきた。下ではお美代が真青になって、ブルブル慄えながら、向うを指している。 「葛の葉の向うよ。ほらほら、葉がガサガサ動いているわ。……」 「うん、分った。ここ....
生ける人形」より 著者:寺田寅彦
いて、それがもっとも純化され高調されているように思われるのである。 次の幕は「葛の葉の子別れ」であった。畜生の人間的恩愛を描いたこの悲劇の不思議な世界の不思議....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
となっている。 『雨月物語』の中のいずれの章であったか、俺れが今度旅から帰るのは葛の葉の裏が白く風に翻るころだろうといった意味の文章があった。葛の葉の裏の白さは....
変災序記」より 著者:田中貢太郎
ていた。その樹木の中には欅があり、向う隣の二階家の屋根の上に見える一本の白楊は、葛の葉のような白い裏葉を見せていた。その二階家の向うは総門の左側の角になって、木....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
透通る程白く、鼻筋の通りました、窶れても下脹な、見るからに風の障るさえ痛々しい、葛の葉のうらみがちなるその風情。 八 高が気病と聞いたものが、思....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
まり返っていました。うち中たずね回っても、裏から表へと探し回っても、もうどこにも葛の葉の姿は見えませんでした。そしてもう暮れ方の薄明りの中に、くっきり白く浮き出....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
になり、魚屋の店先へはかれい鮪や鯊などと並んで、同じように存在を示すようになる。葛の葉のうらみ貌なる細雨かな バラバラと細雨が降ったかと思うと、すぐにあがっ....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
立派な鮎が棲んでいる。太子町の上流に掛かった簗小屋に幾日か過ごして我が釣った鮎を葛の葉の火土焼きにして食べた味は、永久に忘れまい。 雍の原では、山女魚を追った....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
すから、これもまた那須地方の伝説であったのです。 この歌が安倍晴明の母だという葛の葉の狐の話と、同じものだということは誰にも分りますが、那須の方は子供のことを....