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「葛布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葛布の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
弟子」より 著者:中島敦
とを願えり云々。 孔子もやむをえず挨拶に出た。南子は※帷《ちい》(薄《うす》い葛布《くずぬの》の垂れぎぬ)の後に在って孔子を引見する。孔子の北面稽首《ほくめん....
王成」より 著者:田中貢太郎
四十両になって、それがそのまま残っている。貯えて置いても入用がないから、その金で葛布を買って、すぐ都へいくなら、すこしはもうけがあるだろう。」 といった。王成....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
何らの技巧もなく、松の樹の如き性格の一面に優しさをしみ出させ、 母が手わざの葛布をそめて着たりけり せん女 わが編みて古手袋となりにけり 同 この....
良夜」より 著者:饗庭篁村
いざなわれたり。雅潔なる座敷の飾りに居心落付かず、見じと思えど四方の見らるるに、葛布にて張りたる襖しとやかに明きて清げなる小女茶を運び出でたり。忝けなしと斜に敷....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
織物の名誉はむしろ掛川の仕事の方に懸っているといわねばなりません。掛川の宿が葛布の名で知られてから、もう何年になるのでありましょうか。江戸時代に書かれた東海....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
主として袴かみしもなどの用に製して販売していた。蹴鞠の遊びの時にはく袴は必ずこの葛布の袴で、その供給地として昔から有名だったのは、遠州の掛川地方であった。今でも....