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「葛籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葛籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
朱日記」より 著者:泉鏡花
あたりはどういたして、また襯衣に股引などを貴下様、下女の宿下り見まするように、古葛籠を引覆しますような事でござりまして、ちょっと戸外へ出て御覧じませ。鼻も耳も吹....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、見得外聞があるじゃなし……心配も苦労も無い。叔母さんに貰った仲の町の江戸絵を、葛籠から出して頬杖を支いて見るようなもんだと思って。」 十四 「坂....
星あかり」より 著者:泉鏡花
う、法華宗の寺の、本堂に隣った八畳の、横に長い置床の附いた座敷で、向って左手に、葛籠、革鞄などを置いた際に、山科という医学生が、四六の借蚊帳を釣って寝て居るので....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、埒あかぬ。客僧、御身が仮に落入るのを見る、と涙を流して、共に死のうと決心した。葛籠に秘め置く、守刀をキラリと引抜くまで、襖の蔭から見定めて、 (ああ、しばらく....
女客」より 著者:泉鏡花
澄まし、 「吝なことをお言いなさんな、お民さん、阿母は行火だというのに、押入には葛籠へ入って、まだ蚊帳があるという騒ぎだ。」 「何のそれが騒ぎなことがあるもんで....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
様と坊ちゃまのお骨と聞いて、安心したも、おかしなものでございますがね、一軒家の化葛籠だ、天幕の中の大革鞄じゃあ、中に何が入ってるか薄気味が悪かったんで。 (へい....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
酢などという代表的なやつを並べると、お時が店をしめて、台所から、これが、どうだい葛籠に秘め置いた小紋の小袖に、繻珍の帯という扮装で画伯ご所望の前垂をはずしてお取....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、鼠の噛った穴から、白い切のはみ出した、中には白骨でもありそうな、薄気味の悪い古葛籠が一折。その中の棚に斜っかけに乗せてあった経机ではない小机の、脚を抉って満月....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
り考えて、別に何にも良人の事は思わないもんだから、ちょいと見たばかりで、ずんずん葛籠の裡へしまいこんで打棄っといたわ。すると、いつのことだッけか、何かの拍子、お....
露肆」より 著者:泉鏡花
ると、隣の同じ道具屋の亭主は、炬燵櫓に、ちょんと乗って、胡坐を小さく、風除けに、葛籠を押立てて、天窓から、その尻まですっぽりと安置に及んで、秘仏はどうだ、と達磨....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
さかにこれが死神で、菊枝を水に導いたものとは思わなかったであろう。 実際お縫は葛籠の中を探して驚いたのもこれ、眉を顰めたのもこれがためであった。斧と琴と菊模様....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
した。 ――しばらくして、ここを、二人ばかり人が通る。……屋台を崩して、衣装|葛籠らしいのと一所に、荷車に積んで、三人で、それは畷の本道を行きます。太神楽も、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
す。 先刻のあの場合にも、愛吉鶏をッてお謂いなすった、どうしよう、これをまあ。葛籠長持と違って、人の家へ投ッ放しに預けて来られるんじゃあなし、庇って持っていた....
式部小路」より 著者:泉鏡花
たばた足の責太鼓、鼕々と打鳴らいて、かッかと笑い、 「何、それも、どさくさ紛れに葛籠箪笥を脊負い出そうッて働きのあるんじゃありませんがね、下がった袷のじんじん端....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
一時に、城も御殿も羨しくないとお思いなすった、その記念まで……箪笥はもうない、古葛籠の底から、……お墓の黒髪に枕させた、まあね……御経でも取出すように、頂いて、....