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「葡萄色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葡萄色の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
つばびろ》の帽子をかぶって、安物《やすもの》らしい猟服《りょうふく》を着用して、葡萄色《ぶどういろ》のボヘミアン・ネクタイを結んで――と云えば大抵《たいてい》わ....
季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
節くれだってひねくれているところだと思います。利鎌《とがま》のような月の出ている葡萄色《ぶどういろ》の空に、一輪二輪と綻《ほころ》びかけている真っ直ぐな枝の、勢....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て見える眼隈と、それから張ち切れそうな小麦色の地肌とが、素晴らしく魅力的だった。葡萄色のアフタヌーンを着て、自分の方から故算哲博士の秘書|紙谷伸子と名乗って挨拶....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
!」 「そうそう。あの時山木の女と並んで、垂髪に結って、ありあ何とか言ったっけ、葡萄色の袴はいて澄ましておどってたのは、たしか浪さんだっけ」 「ほほほほ、あんな....
道標」より 著者:宮本百合子
ての質問に応答した。ロシア語ではHの音がGのように発音されるから、その色のさめた葡萄色のルバーシカを着た金髪で小柄な学生は、ギューゴー・ギューゴーとユーゴーを呼....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
《ひる》からすこし曇り出した山上の空は夕刻になるにつれて落付かなくなって、すこし葡萄色がかった紫の雲足は迅く、折々その雲のさけめから見える紺碧のより高い天の色と....
鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
白くなって、わなわなと顫えはじめた。その眼は真赤に充血してぴょこんと飛出し、脣は葡萄色になって、ぴくぴくぴくとひきつっていた。 世の中に、こんなにまで凄まじい....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
羽の小鳥が窓から飛び込んできて、書机《デスク》のそばの止まり木にとまった。背中が葡萄色で、翼《つばさ》に黒と白の横縞《よこじま》のある美しい懸巣《かけす》である....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
た。 巌流は、浮織の白絹の小袖に、眼のさめるような、猩々緋の袖無羽織をかさね、葡萄色の染革の裁附袴を穿いていた。 足拵えは、もちろん、草鞋――すこし潤してあ....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
、それでも母の死骸を捨てきれなかった。 大日岳へかかった。 屍体の肌は、もう葡萄色になっていた。わしは、わしの愛執のために、老母のそうした醜い顔をいつまでも....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
その大きな図体をぶっつけるようにして腰掛けると、無造作に壁に背を凭した。黒に近い葡萄色の軽装で両手を高くまくり上げ、薄紅い厚ぼったい耳朶には金の耳環を繊細に、ち....