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葬礼
「葬礼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葬礼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「入れ札」より 著者:菊池寛
助だった。なあおい!(弥助の方を見る) 浅太郎 九郎助じいさん、何をいうんだい。
葬礼のお伴じゃねえんだぞ。年寄ばかりがついていて、いざとなった時はどうするんだ。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
夕《たなばた》も盂蘭盆《うらぼん》もめちゃめちゃでした。なにしろ日本橋の上を通る
葬礼《とむらい》の早桶が毎日二百も続いたというのですから、お察しください。 そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
考えが宿っていた。それでも一個の人間である以上、猫婆は飼猫とおなじような残酷な水
葬礼には行なわれなかった。おまきの死骸を収めた早桶は長屋の人達に送られて、あくる....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
じゃねえか、お互だ。こんな処へ来て何も、向う様だって遠慮はねえ。大家様の隠居殿の
葬礼に立つとってよ、町内が質屋で打附ったようなものだ。一ツ穴の狐だい。己あまた、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
大工の子供や、紙屑屋の子供が、はやり病いで死んだのならば仕方がありません。門並に
葬礼が出ても不思議がないんですが、そこに少し気になることがあったもんですから、八....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
言い返して、あとは入りみだれて、 「おのれは、正月の餠がのどにつまって、三カ日に
葬礼を出しよるわい」 「おのれは、一つ目小僧に逢うて、腰を抜かし、手に草鞋をはい....
「わが町」より 著者:織田作之助
店朝日軒で客がききつけて、大笑いだった。 2 理髪店朝日軒では、先年
葬礼の道供養に友恵堂の最中を二百袋も配って、随分近所の評判になった。 袋には朝....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
分って勘当かい。」 「聞かっせえまし、喜太郎様は亡くなりましたよ。前後へ黒門から
葬礼が五つ出ました。」 「五つ!」 「ええ、ええ、お前様。」 「誰と誰と、ね?」....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
が、提灯を持替えて、 「はい、はい。」と返事をした。が、界隈の荒れた卵塔場から、
葬礼あとを、引攫って来たらしい、その提灯は白張である。 大屋は、カーンと一つ鉦....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の子笠を胸へ取って、襟を伏せて、俯向いて行きます。……袖の下には、お位牌を抱いて
葬礼の施主に立ったようで、こう正しく端然とした処は、視る目に、神々しゅうございま....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に俥賃を強請って北廓へ飛んだ。耽溺、痴乱、迷妄の余り、夢とも現ともなく、「おれの
葬礼はいつ出る。」と云って、無理心中かと、遊女を驚かし、二階中を騒がせた男がある....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
折込んで、縁を浅黄に、木の葉を照らす。この影に、人は蒼白く一息した。 なぜか、
葬礼の式に列ったようで、二人とも多く口数も利かなかったが、やがて煙草も喫まないで....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
だろう。生前間男の濡衣を着せ、――世間へ見せしめ、二人の死骸、戸板へ打ち付け、水
葬礼――ふん、そいつにしたんだからなあ。だって小平が宜くねえからよ。主人の病気を....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
魂を葬るにわずか十四円八十銭で事足らすのは何だか気の毒にも考えた。夜中頃に棺桶を
葬礼屋が持って来た。そして、今夜中に焼場に持って行かねば暑い夏の日に一日置くと臭....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
友恵堂の最中が十個もはいっていた。それが五百袋も配られたので、
葬礼の道供養にしては近ごろよくも張り込んだものだと、随分近所の評判になった。いよ....