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葭切
「葭切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葭切の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
く鳴いて居る。村の木立の中では、何時の間にか栗の花が咲いて居る。田圃の小川では、
葭切が口やかましく終日騒いで居る。杜鵑が啼いて行く夜もある。梟が鳴く日もある。水....
「ゴルフ随行記」より 著者:寺田寅彦
描く。球がそれて土手の斜面に落ちると罰金だそうである。 河畔の蘆の中でしきりに
葭切が鳴いている。草原には矮小な夾竹桃がただ一輪真赤に咲いている。綺麗に刈りなら....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
静かな心を養うのに足りた。城沼、多々良沼など、館林地方の平野の水には、蘆萩の間に
葭切が鳴いて初夏の釣遊が忘れられぬ。上州と野州の国境で渡良瀬川へ注ぐ桐生川の山女....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
風雅な宿屋へと出かけた(ああ、その頃の台東区竜泉寺には、いまだ美しい蓮田があり、
葭切《よしきり》が鳴き、アベックに好適な水郷だった!)。そうして、宿屋から借りた....
「向嶋」より 著者:永井荷風
むかしのままになお蘆荻の茂っているのを見てしばしばここに杖を曳き、初夏の午後には
葭切《よしき》りの鳴くを聴き、月のあきらかな夜には風露の蕭蕭《しょうしょう》と音....