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「葭簾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葭簾の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
む》った海の何か妙にもの悲しい神秘を感じさせたのは事実である。彼は海へ張り出した葭簾張《よしずば》りの茶屋の手すりにいつまでも海を眺めつづけた。海は白じろと赫《....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
灰にしながら、東京の友だちの噂《うわさ》などした。 僕等のいるのは何もない庭へ葭簾《よしず》の日除《ひよ》けを差しかけた六畳|二間《ふたま》の離れだった。庭に....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
拠りどころにもなるものだった。その水を岐にひいて、七つ八つの金魚池があった。池は葭簾で覆ったのもあり、露出したのもあった。逞ましい水音を立てて、崖とは反対の道路....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
その下を用事ありげな人達が往来している。屋内の暗さも大凡想像されよう。それに高い葭簾で家をかこうということが、一層屋内を暗くする。私は娘達を残して置いて、独りで....
」より 著者:徳田秋声
へ着いた時分は、町はまだ静かであった。地面には夜露のしとりがまだ乾かぬくらいで、葭簾をかけた花屋の車からは、濃い花の色が鮮かに目に映った。都会人のきりりとした顔....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た路地口を、じーっと見つめたまま立っています。 時は夏五月、日盛りは過ぎたが、葭簾《よしず》の蔭で、地はそんなに焼けてもいなかったのに打水《うちみず》が充分に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って見ると、歌舞伎の柱を押立てて緞帳《どんちょう》をつり、まわりへ蓆《むしろ》と葭簾《よしず》を張りめぐらしてある。木戸は取らない、野天の公開ですから道庵もうれ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
かったが、和田は、町人か、百姓なら、話をして、借りて行こうと、疲れた腰を上げて、葭簾《よしず》の外へ、一歩出た。 「先生」 玄白斎が、木箱をがたがたさせながら....
」より 著者:岡本かの子
は、は、は、は。 ――は、は、は、は、は。 二 欅の並木の間に葭簾で囲った茶店一軒。 遠見に鬼子母神の社殿見ゆ。 ――冬の月、骨身に沁みて美し....