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「蒐集〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蒐集の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
女中は瓦斯暖炉《ガスだんろ》に火をともし、僕一人を部屋の中に残して行った。多少の蒐集癖を持っていた従兄はこの部屋の壁にも二三枚の油画《あぶらえ》や水彩画《すいさ....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
らしているような気さえしたのである。 「どうです、これは。」 田代君はあらゆる蒐集家に共通な矜誇《ほこり》の微笑を浮べながら、卓子《テーブル》の上の麻利耶観音....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
って見れば、何を捨ててもあれだけは、手に入れたいと思ったでしょう。のみならず翁は蒐集家《しゅうしゅうか》です。しかし家蔵の墨妙の中《うち》でも、黄金《おうごん》....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
て、両肥《りょうひ》及び平戸《ひらど》天草《あまくさ》の諸島を遍歴して、古文書の蒐集に従事した結果、偶然手に入れた文禄《ぶんろく》年間の MSS. 中から、つい....
或る女」より 著者:有島武郎
参加した事務長で、海軍の人たちにも航海業者にも割合に広い交際がある所から、材料の蒐集《しゅうしゅう》者としてその仲間の牛耳《ぎゅうじ》を取るようになり、露国や米....
生きている腸」より 著者:海野十三
な気味のわるい生きている腸《はらわた》を手に入れたがったのであろうか。それは彼の蒐集癖を満足するためであったろうか。 否! リンゲル氏液内の生態 生きている....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
謂"Jesuit press"と称する是等のバテレンが本国へ送った通信であって、蒐集の量も又決して少く無いから、或は此書翰集も大学に収蔵されてるかも知れないが、....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
悦にひたっていることが非常に羨しく、そして心の慰めとなるのだった。だから、欧洲で蒐集した多くの画はだんだん売って売り尽しに近くなったが、この一枚だけは手放さなか....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
というかも知れぬ。成るほど狡獪なる霊界人が、欺瞞の目的を以て、細大の歴史的事実を蒐集し得ないとは言われない。が、到底|詐り難きは、各自に備わる人品であり風韻であ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
玩具を損失したからとて、少しも惜いとは思わない。私は這般の大震災で世界の各地から蒐集した再び得がたい三千有余の珍らしい玩具や、江戸の貴重な資料を全部焼失したが、....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
間も勘定したら、お前は漢文の受験参考書だけでも二十七冊も集めていやがった。まるで蒐集マニアだ。 母親 蒐集マニアだなんて、まあひどい。あなたの原理主義なんかに従....
夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
るそうです。まあすべてがその調子でした。震災以来は身体の弱い為もあったでしょうが蒐集癖は大分薄らいだようです。最後に会ったのはたしか四五月頃でしたか、新橋演舞場....
浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
浮世絵画家の肉筆というものは、錦絵とはちがった別の味わいがあるものですが、こんど蒐集陳列されたものは、屏風、掛物、巻、画帖など種々な形のものがあって、しかも何し....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
本人はあたかも魔術者の杖が石を化して金とするを驚異する如くに眼を※って忽ち椿岳|蒐集熱を長じた。 因襲を知るものは勢い因襲に俘われる。日本人は画の理解があれば....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
いう咄があった。鴎外の賛成を得て話は着々進行しそうであったが、好書家ナンテものは蒐集には極めて熱心であっても、展覧会ナゾは気紛れに思立っても皆ブショウだからその....