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「蒲柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蒲柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ふさわしそうな読書|三昧《ざんまい》に耽っていたのです。これは勿論一つには、彼の蒲柳《ほりゅう》の体質が一切《いっさい》の不摂生を許さなかったからもありましょう....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
顔をして恩にきせる。なる程、自分が今迄生きてこられたのは、少なくとも自分のような蒲柳の質の生活力の弱いヤクザ人間が生きておられたのはまったく自分以外の人々のお蔭....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
いません」と、いった。 新一郎が、突然喀血したのは、それから間もなくであった。蒲柳の質である彼は、いつの間にか肺を侵されていたのである。 お八重の驚きと悲し....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
」 「名に負うそいつが重いと来ている」 「一万両の金目だからの」 「ところで俺は蒲柳の質だ」 「いや飛んだ銀流しよ」 「そこでお前を見立てたのよ」 「これじゃま....
黒百合」より 著者:泉鏡花
八九の美少年である。絹セルの単衣、水色|縮緬の帯を背後に結んだ、中背の、見るから蒲柳の姿に似ないで、眉も眦もきりりとした、その癖|口許の愛くるしいのが、パナマの....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
格に起こる変動が多い。 ある学者はかくのごとき有様が続いたならば、世は遠からず蒲柳《ほりゅう》の美人がなくなるだろうというている。思慮、学問、決断において女子....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
衆の日々の生活に交るわけにはゆきません。冴えた仕事ではありますが、人間に譬えれば蒲柳の質とでもいいましょうか。 「秋田八丈」と呼ばれるものがあります。これも綺麗....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
井戸掘りのまっ蒼な顔を見つめた。井戸掘りにしては男ぶりのよい又八の容貌や、総じて蒲柳な体つきも、そう気をつけて見られると、彼に不審を抱かせた。 侍側の士や閣臣....
私本太平記」より 著者:吉川英治
宮は六尺ゆたかな体躯で、叱咤は山谷に木魂する概を持っていたが、この弟宮のほうは、蒲柳であった。――歌よみの家の、冷泉家から出たおん母に似たものか、いと優しい。―....
醤油仏」より 著者:吉川英治
?」 「はい、そりゃあ」 「幾つ? お年は」 「十九でございます」 「その青白い蒲柳な体で、日傭取稼ぎはこてえましょう。うちの部屋へ来てまだ二月くらいだろうが、....