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「蒸溜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蒸溜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
こころ」より 著者:夏目漱石
言葉を創造したのも、お嬢さんに対する私の感情が土台になっていたのですから、事実を蒸溜《じょうりゅう》して拵《こしら》えた理論などをKの耳に吹き込むよりも、原《も....
弓町より」より 著者:石川啄木
のにしようと努めたものだ。しかし詩はすべての芸術中最も純粋なものだということは、蒸溜水《じょうりゅうすい》は水の中で最も純粋なものだというと同じく、性質の説明に....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
る程、震災後の東京の商売は発達しているのだから、他は推して知るべしである。勿論、蒸溜水を注射して十円取るのと違って、国家に貢献する事は大であるが。しかもこういっ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て了う。四方水の上に居ながら、バケツ一ぱいの淡水にも中々ありつかれぬ海の子等に、蒸溜水の天水浴とは、何等贅沢の沙汰であろう。世界一の豪快は、甲板の驟雨浴であらね....
光と風と夢」より 著者:中島敦
るのが見付からない。斯んな莫迦《ばか》げた苦労は、何ものをも産みはせぬ。くだらぬ蒸溜《じょうりゅう》だ。 今日は朝から西風、雨、飛沫《しぶき》、冷々した気温。....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
文化上の自由主義(その意味は段々説明して行く)は無論経済的乃至政治的自由主義から蒸溜されたものに他ならないのであって、事実ジョン・ロックに於ては、政治上の自由主....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
者であるかという点が決定出来ることになる。それは観念(主観という抽象物はそれから蒸溜されたものに過ぎない)ではなくて、宇宙的時間の上でそれより先に「あった」処の....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
可能な企てではないだろう。モダーニズムが機械的である限り一種のデカルト主義にまで蒸溜することも出来るが、このデカルト主義からドビラン風の内部的人間学を導くことも....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
名前がひびいていることと思います。先生はあの植物をたいそうつよい魅力を持った薬に蒸溜なさるとかいう噂で、折りおりに先生が働いていらっしゃるのが見えます。またどう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ているのであります。 硝石《しょうせき》の精製所も出来ました。硫黄《いおう》の蒸溜所も出来上りました。機械類の磨き方は、鉄砲師の川崎|長門《ながと》と国友松造....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たのです。仕事はたくさんあって、ただ勝手に何かを選ぶだけでした。製紙場、製革所、蒸溜《じょうりゅう》所、製油場、時計製作所、製鋼所、製銅所、その他少なくも二十余....
乾杯」より 著者:豊島与志雄
に額をもたせていました。その前には、ゲテ物ですが、柿酒と称するもの、麦製の強度な蒸溜酒に乾柿の甘味を配した液体が、把手のついた瓶に重くとろりと静まっていました。....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
いそぎで、島を一めぐりして、なんでも役にたつものを見てきてくれ。それがすんだら、蒸溜水の製造にかかってくれ。 総員は、作業につくまえ、今すぐに、はだかになれ。....
決闘」より 著者:神西清
サモイレンコは椅子に掛けると、キニーネ溶液、臭剥、大黄浸、ゲンチャナチンキ、蒸溜水を合剤にして、苦味を消すため橙皮舎利別を加える云々と処方をして、帰って行っ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
し、濾紙を敷いて静かに濾すと、それはそれは綺麗な水が出ます。真水でいけない時に、蒸溜水の代りにそれを使うのでした。 移転後|暫くするにつれて、患者が来るように....