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蒼天
「蒼天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蒼天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ぐ》らし棒杭《ぼうぐい》を立てて某々所有地などと劃《かく》し限るのはあたかもかの
蒼天《そうてん》に縄張《なわばり》して、この部分は我《われ》の天、あの部分は彼《....
「一夜」より 著者:夏目漱石
王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。粟粒芥顆《ぞくりゅうかいか》のうちに
蒼天《そうてん》もある、大地もある。一世《いっせい》師に問うて云う、分子《ぶんし....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
まり黄帝は、遠く広く天の修理者を求めた。捜し求めたかいはあって東方の海から女※は
蒼天にある二個の小隙を埋めることを忘れたと言われている。かくのごとくして愛の二元....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
席で、鳥のように天を翔べたらさぞ愉快だろう。イランほどの大国の王は、誰より先に、
蒼天を飛行する術を極めるべきだと云った煽てに乗った。そして、七日七夜、智慧をしぼ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
。けれども結局、義兄夫婦の忠勇義烈ぶりにスッカリ感激して号泣|慟哭して云うには、
蒼天蒼天、何ぞ此の如く無情なる。あなたは御存知あるまいが、あなたが姉さんの亡骸を....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
そこで吾輩も殆んど筆を投ぜざるを得なくなった。刀折れ、矢|竭きた形だね。 ……
蒼天蒼天……吾輩の一生もこのまんま泣き寝入りになるのか。回天の事業、独力を奈何せ....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
を空際に閃かすと共に雷鳴は一大破壊の音響を齎して凡ての生物を震撼する。穹窿の如き
蒼天は一大玻璃器である。熾烈な日光が之を熱して更に熱する時、冷却せる雨水の注射に....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
常識的意味の上に省略と単純化とがあるので、此は古歌の特徴なのである。散文ならば、
蒼天の無際無極なるが如く云々と補充の出来るところなのである。この御歌の下の句の訓....
「小春」より 著者:国木田独歩
てわれ今再びこの河畔に立ってその泉流の咽ぶを聴き、その危厳のそびゆるを仰ぎ、その
蒼天の地に垂れて静かなるを観るなり。日は来たりぬ、われ再びこの暗く繁れる無花果の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ペガサス(翼馬)やヒポグリフ(鷲頭怪馬)などに乗った広大な騎者を、両翼をひろげて
蒼天からおりて来る曙《あけぼの》の色に輝いた戦士を、燦然《さんぜん》たる未来の騎....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ども、たとい他の者は皆|雨傘《あまがさ》の下にいようとも、恋人らがながめる幸福の
蒼天《そうてん》は、常に空の片すみに残ってるものである。
その前日、ジャン・ヴ....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
を死と信じたのである。加うるに我国にも天父地母の思想は顕然として存していた。即ち
蒼天を父とし大地を母とし、総ての自然物は、この天父地母の交会作用によって生成する....
「三国志」より 著者:吉川英治
枚は形だけ残っていた。それに黄色の紙が貼ってあって、次のような文が書いてあった。
蒼天已死 |黄夫当立 |歳在 天下大吉 ○ 大賢良師張角 「大方ご覧なさい。....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、木の葉の落ちる音ばかりだ。 しばらくたたずんでいると、童子の歌う声がする。
蒼天は円蓋の如し 陸地、碁局に似たり 世人|黒白して分れ 往来に栄辱を争う 「お....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
大嶺の南面一帯が、今、沈もうとする秋日の名残を受けて眩しく照り輝いている。日筋が
蒼天に流れわたって、ふり仰ぐ真上にあかあかと見渡される。群を抜く鋒杉が見えると思....