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蒿
「蒿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蒿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
なく賛成した。 さしむかう鹿島の崎に霞たなびき初め、若草の妻たちが、麓の野に莪
蒿《うはぎ》摘みて煮る煙が立つ頃となった。女は弟を伴ってひそかに旅立った。うち拓....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》らぬと見え、また後漢の劉昆弟子常に五百余人あり、春秋の饗射ごとに桑弧《そうこ》
蒿矢《こうし》もて兎の首を射、県宰すなわち吏属を率いてこれを観《み》たとあり、遼....
「運命」より 著者:幸田露伴
より有り。 世を挙って 孰か客に非ざらん、 離会 豈偶なりと云はんや。 嗟予 蓬
蒿の人、 鄙猥 林籔に匿る。 自から慚づ 駑蹇の姿、 寧ぞ学ばん 牛馬の走るを。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
について歌道を修め、京都に上って冷泉殿の歌会に列したこともあり、その後しばらく伴
蒿蹊に師事したこともあるという閲歴を持つ人である。半蔵がこの人に心をひかれるよう....
「胡氏」より 著者:田中貢太郎
、家の者がかけつけて主人を救けて戦った。そこで狐は遁げて往った。矢を抜いてみると
蒿のとげであった。 こんなことで一ヶ月あまりを費した。狐の害はそれほどでもなか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
僵《たお》るる重量で竜も潰《つぶ》れ死すと見ゆ)、『質屋庫』より数年前に成った伴
蒿蹊《ばんこうけい》の『閑田次筆《かんでんじひつ》』二やそれより七十年前出来た寒....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
今の唄を唄いますのが、三人と、五人ずつ、一組や二組ではござりませんで。 悪戯が
蒿じて、この節では、唐黍の毛の尻尾を下げたり、あけびを口に啣えたり、茄子提灯で闇....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
ん顔で、一生懸命にその口真似をしては、その小鳥を思い出そうとしていた。 「あれは
蒿雀《あおじ》だ。……」私は漸《や》っとそれが思い出せると、飛び起きて、窓ぎわに....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
直ぐ傍を流れていた。僕は心のはずむのをおぼえた。川柳の群生を透して、ドナウは稍水
蒿が増して、岸を浸さんばかりになって流れているのが見える。即ち『充満』の気魄であ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
〔巻十・一八七九〕 作者不詳 菟芽子は巻二の人麿の歌にもあった如く、和名鈔に薺
蒿で、今の嫁菜である。春日野は平城の京から、東方にひろがっている野で、その頃人々....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
いとも言えません。これはわたしの友達の小沢蘆庵から聴いた話ですが、蘆庵の友達に伴
蒿蹊というのがあります。ご存じかも知れないが、蘆庵、
蒿蹊、澄月、慈延といえば平安....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
が、その著『本草綱目《ほんぞうこうもく》』蓬草子の条下でいうには「其飛蓬ハ乃チ藜
蒿ノ類、末大ニ本小ナリ、風之レヲ抜キ易シ、故ニ飛蓬子ト号ス」とある。また中国の他....