蓄膿症[語句情報] »
蓄膿症
「蓄膿症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蓄膿症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ますよ。」
僕は耳を澄まして見た。なるほど僕を呼んでいるらしい。しかもこの頃|
蓄膿症《ちくのうしょう》のために鼻のつまった甥《おい》の声である。僕はしぶしぶ立....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
やって来た時に、若槻にもちょいと頼まれていたから、便宜を図ってやっただけなんだ。
蓄膿症《ちくのうしょう》か何かの手術だったが、――」
和田は老酒《ラオチュ》を....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
で立ち上った。 勘定を払って表へ出ると、男はしきりに洟をかみながら待っていた。
蓄膿症らしい。(随分威勢のあがらぬ与太者じゃないか)豹一はその男を小馬鹿にしたく....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
。 彼女が私の病院に来てから間もなく私がある中年紳士の上顎竇《じょうがくとう》
蓄膿症の手術をした時に、初めて助手を命ぜられた彼女は、忙しく動いている私の指の間....
「如是我聞」より 著者:太宰治
しているのを読んだことがあるけれども、その頭の悪さに、私はあっけにとられ、これは
蓄膿症ではなかろうか、と本気に疑ったほどであった。大学教授といっても何もえらいわ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
けたが、折柄この夜だけはいかな悪口雑言も御免という悪口祭のかずかずの悪口のうち、
蓄膿症をわずらったらしい男が、けれど口拍子おかしく、 「やい、おのれの女房は鷲塚....
「正直ノオト」より 著者:太宰治
しょう。胃の為にいいという、交響楽を考えてみましょう。サクラの花を見に行くのは、
蓄膿症をなおしに行くのでは、無いでしょう。私は、こんなことをさえ考えます。芸術に....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
んだ今の話は……」 「ヘエ、何のお話で……」 「アタマが悪いのう君は……イクラか
蓄膿症の気味があるんじゃないか君は……それともアデノイドか……」 「そんな事は絶....
「渡り鳥」より 著者:太宰治
近眼かい? 溜息が出るよ。 「クレヨン社の、……」 名前まで言わせる気かい。
蓄膿症じゃないかな? 「あ、失礼。柳川さん。」 それは仮名で、本名は別にあるん....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
かし十四五の女生徒の一人はまだいろいろのことを問いかけていた。僕はふと彼女の鼻に
蓄膿症のあることを感じ、何か頬笑まずにはいられなかった。それから又僕の隣りにいた....
「僕はもう治っている」より 著者:坂口安吾
年の夏ごろから、神経衰弱の気味であった。今から考えると、そうである。ボクはそれを
蓄膿症のせいかしらんと思っていた。しきりにハナがでて、吐気を催し、ふせばノドに流....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
私は若い頃から、衰頽の期間にいつも洟汁が流れて悩む習慣があった。青洟ではなく、透明な粘液的なものであった。だから
蓄膿症だと思ったことはない。然し、ねていると胃に流れこみ、起きていると、むやみに....
「春」より 著者:岡本かの子
と一枚になっている。上品な老爺の附いた学生が絶対無言という様子で鬱ぎ込んで居る。
蓄膿症でもあるのか鼻をくんくん鳴らして居る。 年増看護婦が診察室から出て来た。....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
公、お前この俺を一ぺんでもびっくりさせることが出来たら、新円で千円くれてやらア」
蓄膿症をわずらっているらしくしきりに鼻をズーズーさせている亀吉の顔を、豹吉はにこ....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
めて元気である。 この暮から正月にかけて、私は扁桃腺《へんとうせん》の除去と、
蓄膿症《ちくのうしょう》の手術とのために、K病院へ入院した。二十年来の懸案を片づ....