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蓋然
「蓋然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蓋然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
に、ほんのちょっとした注意もひかないで、起っているのだ。一般に暗合というものは、
蓋然性《プロパビリティ》の理論――人間の研究のもっとも輝かしい対象にもっとも輝か....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
の理想の実現は、この未知数の判然しない間、必然ではない。ただ多少の可能性を帯びた
蓋然である。俺は奴等のように将来の楽観はできない。そして将来に対する俺の悲観は、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ウィンの研究/遊星の回転方向/ピッケリングの説/天体に関する我々の観念の正しさの
蓋然性 ※ 太陽並びに恒星の輻射の原因に関する古代の諸説/マイヤー及びヘルムホル....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、そうした後に発見されたのだからね」
「冗談じゃない。どうしてあの虹が、そんな
蓋然性に乏しいものなもんか。偶然か……それとも、レヴェズの美わしい夢想だ。言を換....
「球根」より 著者:寺田寅彦
市の姉すなわち彼の伯母のために状袋のあて名を書いてやったという事もずいぶん可能で
蓋然であるように思われた。しかしふたつの手跡は似ていると言いながら全く同じである....
「火山の名について」より 著者:寺田寅彦
あり、千島のカイモンと同系と考えるほうがよさそうにも思われ、少なくも両方に同等の
蓋然性がある。それでこれらもすべて現在の確実な事実としての名だけを採る事にする。....
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
度肉眼的領域を通り越して分子原子電子の世界に入ればもはやすべての事がらは統計的、
蓋然的な平均とその変異との問題にほごされてしまう。のみならず今日ではその統計的知....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
ような「発見」に冷淡な学者が攻撃される。しかし科学者としては事がらの可能不可能や
蓋然性の多少を既成科学の系統に照らして妥当に判断を下すほかはないので、もし万に一....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
次の辰年にも同様な乾燥期が来るということには、単なる偶然以外に若干の気候週期的な
蓋然率《がいぜんりつ》が期待されないこともない。 気候の変化が人間の生理にも若....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ね。一般に、どの国語かがわかるまでは、解釈を試みる人の知っているあらゆる国語を(
蓋然率《プロバビリティ》にしたがって)実験してみるよりほかに仕方がない。だがいま....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
素が入り込む。前者では因果の連鎖が一筋の糸でつづいているが、後者では因果の中間に
蓋然の霧がかかっている。それで、前者では練習さえ積めばかなりの程度までは思いのま....
「省察」より 著者:デカルトルネ
を十分に分明に認識していないというすべてのものにも及ぶのである。なぜなら、たとい
蓋然的な推測が私を一方の側へ引張るにしても、それが単に推測であって、確実なそして....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
ら、こういう事件について行うべき推定の原理だけを話しましょう」 「原理とは」 「
蓋然の法則です」 あまりに突飛な言葉に小田さんも私もしばらく、意味を捕捉するに....
「妖怪学」より 著者:井上円了
を解釈せんとす。 およそ事実の起こるに三種の関係あり。その一を偶然といい、二を
蓋然といい、三を必然という。必然とは、必ず起こるべき理由ありて起こり、起こるべき....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
は全くこれに反対したものである。私は偶然と必然の間になお一つの名目を設けてこれを
蓋然と申します。
蓋然とは必然ほどではないが全く偶然でもなく、必然と偶然の間に存す....