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蓬莱
「蓬莱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蓬莱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
十一
妾宅の新年は寂しかった。門には竹が立てられたり、座敷には
蓬莱《ほうらい》が飾られたりしても、お蓮《れん》は独り長火鉢の前に、屈托《くった....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
さい。あなたの欲しいものは何ですか? 火鼠《ひねずみ》の裘《かわごろも》ですか、
蓬莱《ほうらい》の玉の枝ですか、それとも燕《つばめ》の子安貝《こやすがい》ですか....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
。上野の絵の展覧会で、浦島の絵を見まして値も聞かないで約束してしまいました。 『
蓬莱』が好きで、絵が欲しいと申しまして、色々見たり、描いて貰ったりしたのですが皆....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
肌骨清し。六椀|仙霊に通ず。七椀|吃し得ざるに也ただ覚ゆ両腋習々清風の生ずるを。
蓬莱山はいずくにかある 玉川子この清風に乗じて帰りなんと欲す(一七)。 茶経の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
さに庄三郎は物を云うことさえ出来なかった。ただ四辺を見廻わした。 桃源、巫山、
蓬莱洲、いわゆる世界の別天地とはこんなものではあるまいか? こう思われるほど四辺....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
」 で、長柄の銚子に手を添えた。 朱塗の蒔絵の三組は、浪に夕日の影を重ねて、
蓬莱の島の松の葉越に、いかにせし、鶴は狩衣の袖をすくめて、その盞を取ろうとせぬ。....
「露肆」より 著者:泉鏡花
った。 婦もちょいと振向いて、(大道|商人は、いずれも、電車を背後にしている)
蓬莱を額に飾った、その石のような姿を見たが、衝と向をかえて、そこへ出した懐炉に手....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
薄りと煙が靡くと、富士を真正面に、奥方もちっと参る。が、落日に対して真に気高い、
蓬莱の島にでも居るような心持のする時も、いつも女中が随いていたのに。」 「それが....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
でしょう。さあどうぞ。奥の御部屋でしばらく御休みくださって」 「あ、どうも」 「
蓬莱さん、相変らずカレワラは森閑としてますね」 「そうなのよ。商売に馴れない者は....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
みた。 二人は床の間を前にして、じっとして寂しく笑う。 磁気嵐 透谷の『
蓬莱曲』が出た。鶴見の回想は今この本のイメエジをめぐって渦動をはじめるかに見える....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
それから船をすすめてゆく。藪があったり、なだらかな山があったり、私にはその山が
蓬莱山のようにおもわれた。そこにはお堂があって、大きい方を平山堂と呼び、小さい方....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
黒い板囲い、※と大きく胡粉で書いた、中空に見上げるような物置の並んだ前を通って、
蓬莱橋というのに懸った。 月影に色ある水は橋杭を巻いてちらちらと、畝って、横堀....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
以上世間の眼を※らしたもんで、この新鋭の元気で一足飛びに欧米の新文明を極東日本の
蓬莱仙洲に出現しようと計画したその第一着手に、先ず欧化劇の本舞台として建設したの....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
身の疲を医するには、いとうれし。このあたりは河原広く、かつ長く、川の中に巨大なる
蓬莱巌ありて、二つの丸木橋にて、彼岸に達すべく巌頭に立てば、大雪山の数峰の頂も見....
「西航日録」より 著者:井上円了
に余、一詠して曰く、 米寧湾口眼前開、雪動連峰背後堆、誰謂大英風景乏、磐戈真是小
蓬莱。 (米寧湾が目前に大きく開け、雪動の連峰は背後にうず高し。だれが英国は風景....