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蓮の台
「蓮の台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蓮の台の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「極楽」より 著者:菊池寛
として、咫尺の間に出現し給うた。おかんは、御仏に手を取られて夫宗兵衛の坐って居る
蓮の台へと導かれた。おかんは、絶えて久しい夫の姿を見ると、わっ! と嬉し泣きに泣....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
そうとしているのである。 「極楽」の退屈さに苦しんで、地獄を語り合うときばかりは
蓮の台《うてな》に居並ぶ老夫婦の眼に輝きが添う姿、「羽衣」をかたに天女を妻とした....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
。) 七左 おふくろどの、主がような後生の好人は、可厭でも極楽。……百味の飲食。
蓮の台に居すくまっては、ここに(胃をたたく)もたれて可うない。ちと、腹ごなしに娑....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
には私|唯一人。) 小指を反らして、爪尖を凝と見て、 (ほんとに貴下、心細い。
蓮の台に乗ったって一人切では寂しいんですのに、おまけにここは地獄ですもの。) (....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
色の地の上に、おぼろに残った黄色の肌や余韻の多い暗紅の衣が浮き出ている。下には紅
蓮の台があって、ゆったりと仏の体をうけ、上からは暗緑の頭髪が軽やかに全体を押える....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
牢獄か。 おそらく、姉も城下の獄に繋れているのであろう。そうなれば、姉妹ひとつ
蓮の台だと思う。どうしてもない一命とすれば、せめて、 (姉と一緒に――) 武蔵....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
からんよりは」 「生き恥かくなどは、鎌倉武士の名おれ」 「いっそ、この一堂を一|
蓮の台となして」 「いざ、いさぎよく」 声から声へ、次々に、自身の刃でうッ伏し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の下につき、殉死的な戦死をとげたことだった。 会下山、さいごの死所は、そこを一
蓮の台にして――と、暗黙のうちに、一同これへ目ざして来たらしい。 くるしい。た....