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蓮の実
「蓮の実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蓮の実の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
染。蛸《たこ》の脚。茶殻。蝦《えび》。蜂《はち》の巣。苺《いちご》。蟻《あり》。
蓮の実。蠅《はえ》。うろこ。みんな、きらい。ふり仮名も、きらい。小さい仮名は、虱....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
」を読むと、その中にオボーと云う虫に就いて、作者が幼い頃の思い出が書いてあった。
蓮の実を売る地蔵盆の頃になると、白い綿のような物の着いている小さい羽虫が町を飛ぶ....
「芭蕉について」より 著者:宮本百合子
を》 芥子あまの小坊交りに打《うち》むれて 荷兮《かけい》 おるゝはすのみたてる
蓮の実 芭蕉《はせを》 このような様々の情緒とつよい現実感の峯をな....
「白藤」より 著者:宮本百合子
波と遊ぶ面白さを味った。 お寺の座敷の横は深い竹藪であった。裏に蓮池があった。
蓮の実をぬいて喰べることをお寺の小僧から習った。雨が降ると、寺の低い方にある墓場....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
っかり気力も衰え切っているところへ、そちらからお帰りの途中だといわれて、あの方は
蓮の実を一本人に持たせて、「もう暗くなったので寄らないけれど、これは彼処のだから....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
らって、椎の実の味を知った。秋のはじめになると、 「蓮《はす》の実はいらないか、
蓮の実いらないか。」 と短く折った蓮の蕋《しべ》を抱えて、売ってくれる子とも馴染....
「源氏物語」より 著者:紫式部
います」 などと言うのは尼君であった。ついて来た人々に水飯が饗応され、中将には
蓮の実などを出した。そんな間食をしたりすることもここでは遠慮なくできる中将であっ....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
して、秀梅はまた舟を少し出させました。卓子の上には、茶菓が残されていました。その
蓮の実の菓子を彼女は一つつまんで、真白な小さな歯先でかじりながら、右手の方、初陽....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
」 「そんなことを言うから、君はだめなんだ。私は花を見ていたんじゃない。蓮の葉と
蓮の実、これが面白い。ただ少し……。」 「柄が長すぎる。」 「ばか、色彩が足りな....
「食堂」より 著者:島崎藤村
なかった。 蓮池はすぐ眼にあった。僅かに二輪だけ花の紅く残った池の中には、青い
蓮の実の季節を語り顔なのがあり、葉と葉は茂って、一面に重なり合って、そのいずれも....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
な痩法師で、白の着付けに鼠の腰ごろもを無雑作にくるくるとまき付けて、手には小さい
蓮の実の珠数を持っていた。庵に住む人だけに、さすがに頭は剃りまろめていたが、それ....
「上海」より 著者:横光利一
生きと空腹を感じて来た。彼女は朝から食べた食物を数えてみた。 ――家鴨の足と、
蓮の実と、豚の油と、筍と。―― だが、お杉の頭には、辰江の絹の靴下が、珍稀な歓....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
石鹸をいつまでも私の両掌の中に弄んでいた。なんと温かな、いい匂であろう。私はまた
蓮の実型の撒水器の下に立って、頭からさんさんと水を浴びた。新しい浴衣の下に、改め....